ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)は6月8日、オープンハウスを実施した。展示の内容は、最新の脳科学から将来のAV機器用UI(ユーザーインタフェース)、科学を利用したアート作品など20の研究成果だ。そのなかには「プレイステーション3」(PS3)用の注目ソフトも含まれていた。
まずは、思わず見入ってしまう磁性流体アート。音楽が流れると、中央にある金属棒が回り出し、音の強弱に反応して黒いトゲができる。音楽が止まると、黒い部分はドロッとした液体にもどる不思議なオブジェだ。
磁性流体は、直径10マイクロメートル程度の微粒子と液体(油など)、界面活性剤からなるコロイド溶液で、いわば“液体の磁石”だ。音楽に合わせて中央の電磁石に電気が流れ、磁気を帯びると周りの磁性流体が形を変える。電磁石の回転運動も合わせ、磁性流体の動きが、まるでダンスを踊っているように見えるのだ。ハイテクな芸術作品である。
先日、発表されたSCEの「PS3」用のゲーム「THE EYE OF JUDGMENT」も展示されていた(→関連記事)。トレーディングカードとUSBカメラを組み合わせた話題のソフト。ボード上にカードを置くと、カメラがカードに描かれているサイバーコード(2次元バーコード)を読み取り、クリーチャーのCGをリアルタイムに合成。テレビ画面にモンスターが出現する。家庭でも楽しめるバーチャルリアリティ技術といえそうだ。
今回は「カードプロフィールモード」のみの展示だったが、カメラの前に手を伸ばしてCGに触ろうとするとキャラクターが反応するデモンストレーションも見ることができた。
同ゲームは今秋発売予定。価格は未定ながら、ゲームソフトにトレーディングカード30枚、USBカメラ、専用ゲームボードなどが付属する“スターターキット”は9000円から1万円を切る程度になる見込みだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR