ミュージック/ビデオプレーヤー、JPEGビューワーとしての機能も備えている。再生できるのは音楽がWMA(WMA 9 Lossless)/MP3/WAV、動画はWMV。転送にはWindows Media Playerを利用する。Windows DRM10に対応しているので、ナップスター・ジャパンの定額制音楽配信サービスやMora winで販売されているミュージッククリップなども転送できる。
同社は圧縮音源の補完技術「H2C」(High order Harmonics Compensation)を有しているが、本製品では進化した「新H2C」を実装している。補完をメインとする「Professional」モードと低域も強調する「Dynamic」モードを用意している。付属イヤフォンと内蔵スピーカーの双方で音楽を聞きながら新H2Cのオン/オフを切り替えてみたが、新H2Cを利用しない状態でもそれぞれの音質は高レベルにある。
付属イヤフォンは(あいかわらず)外見こそチープだが、音のヌケを感じさせるほか、解像感もあり、高いレベルにある。ただ、個人差こそあるはずだが装着感には乏しいので、好みで交換してもいいだろう。個人的に好感が持てたのは内蔵スピーカー。オンキヨーと共同開発した薄型スピーカーを搭載しているが、これだけの小型にもかかわらず、音量を上げてもトゲトゲしいところがなく、しっかりとした音を出す。さすがに低音の厚みには欠けるが、小型機器の内蔵スピーカーとしては十分だ。
大型液晶と大容量HDDを搭載していることもあり、フォトビューワとしての利用を考えるひともいるかと思う。USBホスト機能を備えており、PC接続時にUSBマスストレージクラスとして認識されるデジカメならばケーブルで接続するだけで、画像のコピーが行える。転送用領域を事前に確保(256M/512M/1G/2Gバイトの4種類が選択できる)する必要はあるが、便利に使える機能だ。
画像の表示は液晶画面の縦解像度(272ピクセル)にあわせた通常表示と、拡大(ズーム)表示の切り替えが可能。さすがに専用製品に比べると表示できるファイル形式がJPEGのみ、色数が1677万色まで、Adobe RGBやxvYCCは未サポートなどの制限はあるが、液晶の輝度は高く、写真は見やすい。スナップショットをアルバム的に保存し、人へ見せる程度の役目は十分に果たしてくれる。
最近ではワンセグ=携帯電話という感も強いが、本製品はポータブルプレーヤーとして成熟の域に達しつつあるgigabeatにワンセグという機能を上手にプラスしている。選局/予約時にラテ欄表示ができないのは相変わらず残念だが、録画機能も必要十分なレベルにある。
約244グラムという重さには正直なところ、“ポータブル”プレーヤーとしてどうなのよ? と思わざるをえないが、「携帯できる卓上テレビ」として考えればさほどのマイナスにはならない。確かに携帯できないサイズと重さではないが、ワイド液晶など「見る」ことに重点を置いていることは明確であり、基本的には卓上テレビ的な使い方をするのがベターだろう。
卓上テレビとしての利用を考えるならばAV入力も欲しいところだが、それでも大容量HDDと大型液晶によって、「デジタル時代の卓上テレビ」としての存在感を放つ製品といえる。
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