シー・シー・ピーの「メカトンボ」は、4枚の羽根を羽ばたいて空を飛ぶユニークなラジオコントロール……インセクトである。価格は8379円と、流行の飛行玩具の中では比較的高価な部類に入る。また、ほかの製品が屋内用であるのに対し、メカトンボは屋外用に指定されている点も面白い。
販売元のシー・シー・ピーは、赤外線ヘリコプター「HoneyBee」などで知られる玩具メーカーだ。だから、最初はミツバチ(Bee)の次はトンボかと単純に考えたのだが、メカトンボのデザインには少々違和感も感じていた。同社の製品は洗練されたボディデザインが特徴の1つなのに、メカトンボは雰囲気が違う。羽根のメカニカルな模様といい、極端にデフォルメされたボディラインといい、まるで昔の特撮映画か、びっくりドッキリメカのような雰囲気を醸し出している。
パッケージの隅にあるロゴを見つけて謎が解けた。
「WowWee」だ。――“げっぷ”する二足歩行ロボット「ロボサピエン」、腹がへると攻撃的になる「ロボザウルスNEO」、“おなら”をするロボット犬「ロボパピィ」など、とにかく変なロボット玩具ばかりを世に送り出している米国メーカーである。しかも洒落っけがありながら、技術力はしっかりしていて、ついでにいうとデザインセンスは日本人には理解しがたい。これらのロボットは総じてあまり可愛くないのだ(あくまで主観です)。
そう。メカトンボは外来種だったのだ。
パッケージから取り出してみると、発泡スチロール製の本体は、意外なほどボリューム感があった。「エアロソアラ」のような軽量かつ繊細なイメージはない。こいつが4枚の羽根をバタバタさせながら飛び回るのである。
両眼の中央に青いLEDを備え、電源をオンにすると光る。また後部は針金に薄いスチロール製の板を載せたようなスタイルで、水平尾翼のような役割を果たすという。最後部にはローターがあり、飛行中に正/逆回転して方向を変える仕組みだ。
足はアンテナを兼ねていて、胸部から左右に2本突き出てしている。虫なのに足が2本しかないところはツッコむべきか……いやツッコむべきところは他にも沢山あるだろう。
付属のコントローラは大柄で、舶来ゲーム箱のそれに似ている。左側に羽ばたきの速度を調節するパワーレバー、右に左右の旋回をコントロールするレバーがあり、中央の電源ボタンには直進方向の微調整が行えるトリム調整ダイヤルも付いている。レバー類は無段階で調節可能。実は、かなり高機能のようだ。
コントローラは充電器を兼ねている。アンテナの根本にあるボタンを押すと、5センチほどのコードが出てきて、これをメカトンボの胸にあるコネクタに繋ぎ、コントローラの電源ボタンを押せば充電開始だ。充電には25分ほどかかり、飛行時間は約6分。ほかの飛行機系玩具に比べると飛行時間は長めだが、そのぶん充電時間も長い。
なお、コントローラの上部にはマグネットが入っていて、充電時にメカトンボの腹を据えると、丁度いいバランスで安定する仕組みになっている。充電中のことにまで配慮するとは、なかなかの気配りといえる。
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