佐藤かな子さんは、水中をはじめとするネイチャーフォトの分野で活躍する写真家だ。雑誌や広告の仕事のほか、個展でも精力的に作品を発表し続けている。先日開催された「E-410による女性写真家展」では、伊豆の海で撮ったウツボの水中写真を出品。E-410の使用感と、水中撮影でのこだわりを聞いてみた。
――そもそも水中写真を始めたきっかけは?
佐藤さん :私の写歴はそれほど長くなく、カメラを持ち始めて9年目で、水中写真を本格的に取り込んでからはまだ2年目です。初めて海の世界を知った学生時代は、自分が海の中を見たり体験するだけで満足していたのですが、次第に、見たものを映像として残し、陸にいる他の人たちとも共有したい、という気持ちが湧き上がってきました。
そこで、コンパクトデジカメを使って水中写真を撮り始めましたが、撮影を重ねるうちに、より一層表現の幅を広げたいと思うようになりました。意を決して、一眼レフ用の水中機材を揃えたのが約2年前です。
――水中用の機材を選択した時のポイントは?
佐藤さん :デジタル一眼レフ機では、オリンパスだけが自社製品として水中用のケースやストロボを揃えていることが決め手になりました。水中ではさまざまなトラブルが発生する可能性がありますが、そんなときに機材がひとつのメーカーに統一されていると、対処・相談しやすいと考えました。
――撮影する上で、陸上と水中でのいちばんの違いは何ですか?
佐藤さん :光の扱い方です。例えば陸では赤い色のものが、水中深くでは(色の吸収によって)青や緑に見えます。また水中の肉眼では、どんなものも全体に色が沈んで見えますので、ストロボを当てることで色が浮き上がるように見えてきます。ストロボ光と自然光を使い分けたり、表現によって両方のバランスをとることが、水中撮影の面白みのひとつといえます。
――従来からオリンパス「E-330」を使用しているそうですが、今回初めて「E-410」を使った感想は?
佐藤さん :E-330よりもボディが小さく軽くなり、ハウジングも小さくなったことは非常に助かります。撮影機材以外にダイビングの器材がたくさんありますので、水中でも陸上でも、移動中の負担を軽減できました。また、小さいほど、指に力が入りやすいメリットも感じました。
細かい点では、E-410のハウジングは、カメラがケースの底面に密着しない高床式の構造になっています。事前のテストでケース内に水が入ったことがありましたが、高床式のためカメラは濡れませんでした。ただ惜しいのは、E-410をケースに入れる際にきっちりと収めないと、操作レバーの位置とカメラのボタンの位置にズレが生じて、操作できなくなる場合があることでした。一方で、水中機材も機種によって使い勝手はさまざまです。海の中での操作にストレスを感じないで、より自分の表現をしやすくするには、機材を自分に馴染ませる必要があります。そのため私もテープや針金を使ったりと、常に工夫をするようにしています。
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