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» 2007年08月02日 21時19分 公開

“未知の黒”に出会える新世代プラズマ「KURO」、パイオニアが発表(2/2 ページ)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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 また黒の表現力向上に伴い、とくに低輝度域(薄暗いシーン)で色の純度が増した。プラズマパネルのセルは、RGB(レッド、グリーン、ブルー)が並んでいるため、たとえば暗い場所に赤いバラがあるシーンなどで赤だけを光らせようとしても、緑や青のセルが予備放電で明るくなり、色を濁らせてしまう。

 しかし新型パネルのように予備放電を抑えることができれば、レッドだけを光らせることが可能。同社ホームエンターテインメントビジネスグループ事業企画部PDP企画部長の塩田克延氏は、「低輝度域での色域が従来よりも広くなった。暗いシーンでも、色が闇に溶けてしまうことなく、RGBがそれぞれが深みを保つ」としている。

photophoto 従来モデル「PDP-507HX」との比較デモ

処理回路やスピーカーも進化

 「新・ダイレクトカラーフィルター」は、前面ガラス基板の前から保護ガラスと空気層をなくし、外光反射をカットするフィルターにより外光反射を抑える。4月に発売した現行モデルにも搭載されたが、もともとはKUROのために開発されたものだという。そしてKUROのフルハイビジョンモデル2機種には「さらに色純度を高めたフィルター」を採用している。「環境光をいかに排除して、かつパネル側の光を通すかが問題だった。明るい環境でも大幅にコントラスト感を上げることに成功した」。

photophoto 「新・ダイレクトカラーフィルター」のない左側とフィルターありの右側

 パネル性能の向上にあわせ、画像処理回路も刷新された。I/P変換やノイズリダクションの精度向上にくわえ、リサイズ処理などもノイズを低減するなどの改善が加えられた。また低輝度域の階調ステップをきめ細かく設定することで、映画の暗いシーンなども滑らかなグラデーションで描写。フィルムソース再生時には、従来の2-3プルダウン方式にみられたぎこちない動きを補正し、スムーズに再生するといった機能を持つ。

 このほか、本体前面の照度センサーを使い、部屋の明るさや映像ソースに合わせて画質を調整する「リビングモード」も新しい。たとえば、明るい場所で映画を見ているときでも、「映画モード」のようにフィルムの発色に近い暖色系の画質になるよう、部屋の明るさによってコントラストや輝度などを調節する。

 音にもこだわった。42V型(PDP-428HX)を除く3モデルは、あえて幅が広くなるサイドスピーカー方式を採用し、内蔵のデジタルアンプや長円形のスピーカーユニットなどはすべて新規に開発している。「KUROのスピーカー担当者は、以前はパイオニアのオーディオを担当していた人物。スピーカーは低歪率コイルを採用するなど、オーディオコンポーネントの技術を取り入れている。音作りのインフラから変えた」。

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 4モデルともデジタル3波のチューナーを2つずつ搭載。入出力端子類も共通で、3つのHDMI端子のほか、D4端子×3、S2端子×3、コンポジット端子×3、D-Sub15ピン、i.LINK端子×2などを備えている。もちろんHDMIは1080/24P入力対応で、同時に発表されたBlu-rayプレーヤー「BDP-LX80」と組み合わせれば映画素材を間引くことなく再現可能。また新たにHDMIコントロールをサポートしており、BDP-LX80の再生ボタンを押すだけでテレビやAVアンプが起動するなどの連携動作が可能になった。


 価格やスペックからわかるように、KUROはマスマーケット向けの製品ではない。本格的なホームシアター用途に向け、同時に発表したスピーカーシステムなどと組み合わせてプレミアム商品として訴求する構えだ。

 「デジタル家電市場では、あまりにも多くのスペックが氾濫し、少し“ユーザー不在”の状況に陥っている。最終的には、テレビをみて“どれだけ泣けるか”。競合他社とのスペック争いではなく、映画館のように泣けることを重視したい」(安田氏)。

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