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“未知の黒”に出会える新世代プラズマ「KURO」、パイオニアが発表(1/2 ページ)

» 2007年08月02日 21時19分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 パイオニアは8月2日、ハイビジョンプラズマテレビの新シリーズ「KURO」(クロ)を発表した。1月の「International CES」で注目を集めたコントラスト比2万:1の“新世代パネル”を採用(関連記事)。ブランド名の通り、優れた黒再現性を特徴としたプレミアムモデルに仕上げた。

photophoto 左からフルハイビジョン60V型の「PDP-6010HD」と同じく50V型の「PDP-5010HD」
photophoto 左は50V型「PDP-508HX」と42V型「PDP-428HX」。42V型のみアンダースピーカーを採用している

 ラインアップは、60V型と50V型のフルハイビジョン2機種を含む計4機種で、9月上旬から順次発売する予定。あわせて次世代サラウンドのストリーム出力に対応したBlu-rayプレーヤー「BDP-LX80」やAVアンプ「VSA-LX70」、ホームシアターシステムも同時にリリースしている。

型番 画面サイズ パネル解像度 価格 発売日
PDP-6010HD 60V型 1920×1080 99万9000円 10月上旬
PDP-5010HD 50V型 1920×1080 72万円 10月上旬
PDP-508HX 50V型 1365×768 56万円 9月上旬
PDP-428HX 42V型 1024×768 45万円 9月上旬

 発表会で挨拶に立ったパイオニアの安田信治常務は「この一年をかけ、パネル構造から映像処理エンジン、音(スピーカー)まで一新してきた。しかし、新しい価値を提供しようとした時にどうしても実現したかったのが黒(漆黒)」と話す。

 プラズマパネルでは、高速かつ安定してセルを発光させるため、発光時以外にもセルの中で予備放電を行う必要がある。しかし、ここから漏れた光が画面をうっすらと明るしてしまい、いわゆる黒浮きの原因になっていた。

photophoto セルの中に新たに「電子発生源」を設けた(左)パイオニア常務ホームエンターテインメントビジネスグループ本部長の安田信治氏

 新型パネルでは、セルの中に新たに「電子発生源」を設けて放電速度を向上。その代わりに予備放電を抑えることに成功した。「試作機が完成したとき、当時使用していた測定器では(コントラスト値を)測ることができなかった。“未知の黒”に出会った瞬間。それを新しいブランド名に採用した」。

 なお、今後は同社製テレビの全製品で(同方式を)採用する方針。「すでにラインの改修も終えている」という。

 電子発生源の採用と「高純度クリスタル層」の進化と合わせ、KUROの黒輝度は実に従来の5分の1となっている。これにより、たとえばシネスコサイズの映画を表示したときに出る画面上下の黒帯が“漆黒”になり、ブラックカラーのベゼルと一体化して見える。「スクリーンだけが浮かび上がるような感覚」だ。

 「どんな素晴らしい絵でも、キャンバスがグレーがかっていたら綺麗には見えない。テレビにとってのクロは、絵にとっての真っ白なキャンバス。これをどうしても手に入れたいと考えていた」。

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