買ったばかりの状態では、iPodで楽しめることは限られる。家に帰ってiTunesに同期するまでの時間をつぶせるのは、内蔵ゲームしかない。
第1世代と第2世代のnanoではBrick、Music Quiz、Parachute、Solitaireの4種類のゲームが搭載されていた。第3世代ではこのうちBrickとParachuteが消え、Music QuizはiPod Quizに、SolitaireはKlondikeに名前を変えた。KlondikeではBGMが流れるようになり、3曲から選ぶこともできる。
Music Quizが曲のイントロ当てクイズという非常に単純なものであったのに対し、iPod QuizはiPodの中に入っている曲のメタデータも出題のソースにしている。この曲は何年のものか、このアーティストの作品はどれか、といった出題がされるのだが、「ピアノの鍵盤の最高音は?」といった音楽常識も試される。iTunes StoreではビデオiPod用に150円で別売されている。
新規のゲームとしては、Vortexが入った。ブロック崩しを3次元化したもので、iTunes Storeでは600円で販売。
iPod nanoをセットアップすると、「追加できるゲームがあるから」とiTunes Storeの「iPodゲーム」コーナーに連れていかれる。「テトリス」「ミズ・パックマン」「ナン・プレ」(数独)が近日発売予定とされているが、まだ購入することはできない。これらはiPod classicでもプレイ可能。これからは新作ゲームが出たら、それは第3世代nanoとclassicの両方で使えるはずだ。
新しいnanoは動画、ゲーム以外にも増えたものがある。それは、著作権情報の項目だ。今回からはタイプフェイスに関する著作権表示がされている。Linotype、大日本スクリーンのヒラギノ、Free-Fontも使われている。また、Vincent Mobile 3D Rendering Libraryというのは、Cover Flowの処理に使われたようだ。OpenSSLと暗号化に関する記載もあるので、それが何に使われたのかのも気になるところだ。まさか4桁数字のロックってことはないか。
iPhoneの実機を触ってきた身としては、この「ローエンドiPod」に不満を感じるだろうと予想していたが、「こっちのほうがいい」と思うこともしばしばあった。特にこの軽さとてのひらへのフィット感は何物にも替え難い。正面から撮影すると平坦に見えてしまう第3世代nanoは、ぜひ実際に手に取って高級万年筆にも似たその質感を味わうことをお勧めする。
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