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「バックライトはリアプロです」――日立ブースCEATEC JAPAN 2007(1/2 ページ)

» 2007年10月02日 19時34分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 厚さ19ミリの「New Style TV:次世代薄型TV」に注目が集まる日立製作所ブース。展示場所の前には長蛇の列ができ、やっと辿りついても「鑑賞時間は5分」に制限されるという人気ぶりだ。

photophoto 右が「New Style TV:次世代薄型TV」

 次世代液晶TVはIPSαが開発したもので、画面サイズは32インチ。解像度は1280×768ピクセル(WXGA)ながら、19ミリ(最薄部)という薄さはインパクトが大きい。ブースでは薄さを生かして「壁掛けテレビ」やスタイリッシュなスタンド型テレビを提案していた。2009年の製品化を予定している。

photophoto 壁掛け(左)と真横から見たところ

 そしてもう1つ。ディスプレイ関係で注目を集めているのが、ユニークな仕掛けでコントラスト性能を飛躍的に高めた「高コントラストハイブリッドモニター」の技術展示だ。コントラスト比はなんと800万:1以上という。

photo 「高コントラストハイブリッドモニター」。真っ暗な場所で展示していたため取材時はわからなかったが、フラッシュを焚くと“急ごしらえ”の様子が見て取れる(ガムテープはご愛敬)。ちなみに画面サイズは47インチで、解像度は1080×720ピクセルだ

 ハイブリッドモニターは、リアプロジェクションTVと液晶テレビを合体させたもの。リアプロのスクリーンを取り外し、代わりにバックライトのない液晶パネルを組み付けている。

 「プロジェクターと液晶パネルに同じ映像を映し出すと、既にバックライトにコントラストがある状態となり、目に見える(液晶パネルの)コントラスト比は“かけ算”的に上がる」(同社)。

 ハイブリッド化の利点はそれだけに止まらない。たとえば映像の赤い部分では光源が既に赤いために色純度が向上する。また黒い部分も光源の暗さが影響して“引き締まった黒”を表現できるという。もちろんテレビの奥行きはリアプロ相当になってしまうが、同社の調短投写距離フロントプロジェクター「CP-A100J」に使用された「自由鏡面レンズ・ミラー」を応用すると、47インチでも奥行き20センチ程度に収めることが可能だ。

 ただし、残念ながら製品化の予定はないという。「リビングルームでは数千:1のコントラストがあれば十分。800万:1ものコントラストを必要な市場があるのかわからない。また価格も“2台分”とまではいかないが高価になってしまう」(同社)。

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