KDDIはCEATEC JAPAN 2007に、「超臨場感テレビ」と呼ばれる開発中の基盤技術を出展した。映像のハイビジョン化の次に訪れるであろう自由視点でのテレビ視聴に応える技術で、スポーツ中継や劇場中継などで視点を自由自在に動かし、これまでにない臨場感を楽しめるという。
超臨場感テレビには、KDDI独自の「円筒領域分割型光線空間法」と呼ばれる映像剛性技術が用いられている。これは、複数のカメラで取り囲まれたサッカーフィールドや劇場の舞台といった対象空間を、円筒領域で分割して3次元化するもので、時間軸に合わせて空間内の円筒にある画像を使い、視点(疑似カメラ)から見える映像を合成する。空間を外から見るだけでなく、視点を内部に移動してウォークスルーさせることも可能だ。
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KDDIは実用化のロードマップとして、まず数年後にスポーツ番組の映像制作に採用されることを目指している。この時点では撮影済みの素材を使い、放送局側で自由視点やウォークスルーを演出に使った合成映像を作成し放送する。さらに5年後から10年後には、視聴者がリアルタイムで自由に視点を動かしたり、立体映像への応用などが可能になるという。ただ、視聴者が視点を動かすには操作用のデバイスが必要になるため、新しい枠組みの放送機材や受信設備が必要になるかもしれないという。
まだ実証段階ということもあり、デモはPCとゲーム用のフライトスティックを使用。映像素材の撮影は、ハイビジョン撮影ができる家庭用のカメラ30台に同期を取る装置を取り付けて行われた。左右のモニタは動画上で自由視点が選べるもの。まだ解像度も低く、空間に浮いているように見える。中央は静止画状態で作成された映像で、解像度も高く、人物の陰影も残るなど自然な映像になっている。
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