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人はなぜバラバラの言葉を話すようになったのか……。旧約聖書は、天まで届くようなバベルの塔を作った人間に怒り、神が行ったのだと説明する。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督がモロッコ、アメリカ、メキシコ、日本の4つの国で起こる事件を巧みに連鎖させ、バベルの末裔である現代人のコミュニケーション不足を描いた衝撃作「バベル」が、11月2日にDVD、HD DVD、Blu-ray Discの3フォーマットでリリースされる。
DVDはスタンダード・エディション(3990円)とプレミアム・エディション(5985円)の2種類。プレミアム・エディションは特典ディスク付きの2枚組。監督自身が監修した87分のメイキング“COMMON GROUND:under construction notes”、特報、予告、TVスポットを収録。36ページのオールカラー・ブックレットと豪華アウターケース付き。なお、プレミアム・エディションのみ英語DTS音声を収録している。
HD DVD、Blu-ray Discは本編ディスクのみの1枚組で、特典映像は特報、予告編、TVスポット。価格は各4935円。
物語の発端はモロッコ。山間の村に暮らす父は、一挺のライフルを手に入れて、2人の息子に与えた。生活の糧であるヤギを守るためだ。試し撃ちをした弟の銃弾が、山道を走るバスを貫く。撃たれたのは、夫婦の絆を取り戻そうと夫リチャード(ブラッド・ピット)と旅するアメリカ人のスーザン(ケイト・ブランシェット)だった。
スーザンは重傷を負い、彼らの帰国が遅れたことで、幼い子供たちは乳母とともに彼女の故郷メキシコへ向かう。捜査の結果、ライフルの書類上の持ち主は、東京で耳の不自由な娘(菊地凛子)と2人暮らしをしている会社役員(役所広司)だと判明する。
カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞し、アカデミー賞でも、作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、作曲賞、助演女優賞(菊地凛子とアドリアナ・バラッザ)ノミネートで世界中の話題をさらった。特に、日本では凛子さんの話題が先行し、内容はかすみがちだったが(もちろん、凛子さんはアカデミー賞に値する演技!)、作品自体の存在感が素晴らしい。
人間が人種や言葉の壁を乗り越え理解しあうことの難しさ、誰ともうまく通じ合うことのできない孤独といった、世界各地で陥っているコミュニケーション断絶を、痛切に、それでいて僅かな希望とともに描いた必見作である。それにしても、人に気持ちを伝えるのは難しいですね。
関連サイト:http://babel.gyao.jp/(公式サイト)
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