ヤマハは10月11日、プリメインアンプ「A-S2000」とSACD/CDプレーヤー「CD-S2000」の2製品を発表した。同社が掲げる“ナチュラルサウンド”を追求するハイグレードHi-Fi新製品。昨年発売したスピーカー「Soavo」と合わせ、「ソースからアンプ、スピーカーに至るトータルシステムが完成した」(ヤマハエレクトロニクスマーケティングの関口博社長)。
価格は「A-S2000」が20万8950円、「CD-S2000」は17万6400円。それぞれブラックとシルバーの2色を揃え、12月中旬に発売する。
発表会で挨拶に立った関口氏は、オーディオ市場が長い低迷期を抜け、拡大基調にあると指摘する。「iPodなど携帯音楽プレーヤーの躍進にくわえ、フルHD機器が普及したホームシアター、そして団塊世代を中心としたオーディオ回帰など、いくつかのエリアで確実に拡大傾向にある」。
なかでもオーディオ製品は、新しい音楽ジャンルやSA-CD、DVD-Audioといった高密度記録メディアの登場といった動きが顕著だ。こうした新しい音楽の視聴スタイルに対応するため、ヤマハが掲げる“ナチュラルサウンド”も進化する必要があると関口氏はいう。また同時に、団塊世代を中心とするユーザー層に向け、従来よりハイグレードな製品に注力する意志を示した。「これまでヤマハは、普及価格帯を中心にHi-Fiコンポーネントを展開してきたが、今後は主軸をハイグレードHi-Fiへ移して拡充する。日本のハイグレードオーディオ市場に一石を投じたい」(関口氏)。
S2000シリーズの特徴は、従来はA級アンプでしか採用されていなかった全段バランス伝送をローコストで実現した独自の回路構成だ。バランス伝送のメリットは、「内部ノイズはもちろん、外来ノイズの抑圧が可能になる」(同社AV機器事業部商品開発部の村松秋弘部長)こと。音質的にはS/N比の向上やダイナミックレンジの拡大につながるという。
「ノイズに強ければ、ソースに含まれる微細な信号を出せる(再生できる)。SACDのようなワイドレンジ再生でもクリアな音の伸びが実現できる」(同氏)。
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