ITmedia NEWS >

リビングのコアになる多機能液晶テレビ“REGZA”「Z3500」(3/6 ページ)

» 2007年10月15日 18時01分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 同社は録画機能にも積極的で、昨年の「Z2000」シリーズではNAS(LAN接続HDD)、夏モデルの「H3000」シリーズでは内蔵HDDにくわえてeSATA接続HDDへのデジタル放送の録画が可能になった。本機はLAN接続HDDにくわえて外付けHDDとしてはもっともリーズナブルに購入が可能なUSB接続HDDに対応。たとえば動作確認済みのアイ・オー・データ機器製「HDC-U」シリーズは250Gバイトモデルが1万円程度、500Gバイトモデルでも1万7000円程度で購入できる。これは一般的なハイビジョンレコーダーはもちろん、「Rec-POT」のようなi.LINK接続のHDDレコーダーよりずっと低コストになる。

photophoto 今回セットで利用したアイ・オー・データ機器の「HDC-U250」。おそらく日本中のパソコンショップで購入できる普通のUSB外付けHDD(左)。右はREGZAリンクでの機器選択画面。LAN1は録画用に設定したPCの共有フォルダ。LAN-Sの2つはPC上で動作しているDLNAサーバだ

 Z2000と同様、NASやPCのHDDにもLAN経由で録画することができる。NASとPC(正確には共有フォルダ単位)は合わせて8台まで登録が可能であり、こちらはUSB接続HDDと異なり同時に接続しておける点が便利だ。ただしフルに活用しようとするとTCP/IPの基本知識は必要になるので、コスト面を考慮してもUSB接続HDDが楽で便利そうだ。もっとも余ったPCがあれば、それを流用してUSB接続よりもさらに低コストの録画も可能。この辺のマニアックさは、いい意味で同社らしい。

 USB接続時のHDD容量は、1台あたり理論上2Tバイトまで、NASは接続確認機器が2Tバイトまで。理屈の上ではUSB接続HDDが1台、NAS(もしくはPCの共有フォルダ)が8台まで同時接続が可能なため、合計18TバイトものHDDを内蔵したレコーダーのように扱うこともできる。またi.LINK接続のデジタルレコーダーやHDMI接続した一部のRDシリーズと連携することも可能なので、録画の選択肢はとにかく多い。

 もちろん良いこと尽くめという訳でもない。まず録画可能なのはデジタル放送のみで、アナログ放送や外部入力からの録画は行えない。簡単にいえばMPEG-2エンコーダーは搭載しておらず、放送波をそのまま録画する機能しか持たない訳だ。USB接続のHDDやNAS、PCに録画した番組は個々の機体に依存した暗号化が施されており、録画したテレビでしか再生できない。USB接続HDDとNAS、NAS間では録画番組のムーブが行えるが、i.LINKを介してデジタルレコーダーにムーブすることは不可能。USB接続HDDやNASに録画した場合、本機の寿命が尽きてしまえば録画番組は一切再生できなくなるわけで、恒久的な保存用には利用できない点に注意したい。それでも、500Gバイトを2万円以下で追加していけるのはかなり魅力的だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.