もうしわけない。今回、神社のお祭りを撮る話なのだが、たいていの神社の「秋の例大祭」は9月中旬から10月中旬で、もう終わってるかもしれない。ちょっと遅かった。でもまあせっかくなので、秋っぽくお祭りの写真を。
「お祭り」にもいろいろあるけれども、やはりメインは「秋」。実りの季節だから。
秋のお祭りというと、岸和田の「だんじり祭」などが有名だけれども、そもそもお祭りって遠くの有名な神社まででかけるもんじゃない。まずは近所の氏神様のお祭りが基本。
普段は縁がなくても、近所の神社のなんてことないお祭りに意外に個性があったり歴史があったりして、出かけてみると発見があるものなのだ。
例えば今回はうちの近所にある「世田谷八幡宮」の「秋の例大祭」の模様である。基本的に近所の人しか知らないなんてことない神社であるが、伝説が正しければ平安時代末期、遅くとも室町時代末期に建立されたのは確からしい。結構古い神社なのである。
そんなとこだとそれなりに伝統があって面白い。
世田谷八幡宮「秋の例大祭」の特徴は「奉納相撲」。江戸時代には「江戸の三大相撲」のひとつといわれていたらしい。今でも常設の土俵が残っており、例大祭の日には東京農大相撲部がそこで相撲を披露するのである。
これがなかなか面白い。東京農大相撲部ってそれなりに強いところで相撲自体もしっかりしているのだが、それ以上に興味深いのは数々の儀式。神事のひとつで神様に奉納する相撲であるから、土俵で祈ったり塩で清める儀式があるのだ。
ひとつひとつの詳しい内容は分からないけれども、そういう厳かな伝統行事って日常に目にすることはないから新鮮で思わず見入ってしまうのである。
残念なのは、土俵の上に青いシートで屋根を作っちゃうこと。雨よけかと思うが、晴れた日は外して欲しかった。青いシートを通して日差しが当たるので、暗くなっちゃうし、ホワイトバランスが狂いやすいのである。
もうひとつ、この神社には神楽用の舞台が置かれており、お祭りの日にはそこで「江戸里神楽」が催される。
これもまた普段見ないものだけに新鮮。雅楽をバックに面を付けた演者が昔ながらの物語を演じるのである。話はとてもシンプルだし動きが大きくて分かりやすいので、なかなか見ていて飽きない。
撮るときのポイントはなんといっても「露出補正」。神社は大抵そうだが、古い木造建築が背景だと非常に暗いため、カメラとしては明るく撮ろうとして、肝心の演者が露出オーバーになっちゃうのだ。となると、シャッタースピードが遅くなるので手ブレ、被写体ブレを誘発しやすくなる。
必要に応じて-1くらいに補正をかけてやるといいかも。
シャッタースピードは手ブレしない程度でよい。シャッタースピードを上げるためにISO感度を上げるとどうしても絵が荒れちゃうので、せいぜいISO200くらいで。
動きをよく見ていると、静と動がしっかり分かれているので、大きく動いたあとにはピシッと止まってくれるのである。見栄を切る、でいいのかな。だからその瞬間を狙えばきれいに撮れる。
もうひとつ、上手な演者なら手は動いていても身体の芯はブレないもの。顔や身体はピシッと止まっているので腕は動いてブレているという動きのある写真が撮れる。
動きのひとつひとつがきれいなので、写真を撮っていても楽しい。こういう舞台って是非撮っておきたい。
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