東芝は10月31日、HD DVDドライブ搭載のハイビジョンレコーダー“HD DVD VARDIA”「RD-A301」を発表した。12月中旬に発売する予定で、価格はオープンプライス。同社藤井美英上席常務は、「価格はお店が決めること」と前置きした上で「10万円を切ることを期待している」とした。
4月に登場した「RD-A300」の後継となるHD DVD搭載機のエントリーモデル。録画番組をMPEG-4 AVCに変換する「HDトランスコーダー」を新たに搭載し、ハイビジョン解像度でDVDメディアにも記録できる「HD Rec」規格を初めて採用した(→解説記事)。MEPG-4 AVC記録は「TSE」という録画モードになり、フルハイビジョン解像度を維持したまま、47段階のビットレートを選択できるという。
HD Recは、今年7月にDVDフォーラムで承認された規格。HD DVD-VRフォーマットを使用し、HD DVD-Rのほか、CPRM対応のDVD-R、DVD-RW、DVD-RAMにMPEG-4 AVCのハイビジョン動画を記録できる(3倍速以上の読み出しに対応している必要がある)。たとえば4Mbpsのビットレートであれば、4.7Gバイトの1層DVDメディアに約2時間のハイビジョン録画が可能になる。また、MPEG-4 AVCにトランスコードした場合でも音声はAAC 5.1chのまま、最大2ストリームを記録できる点も特徴だ。
さらに、e2 by スカパー!やデジタルCATVに多い“デジタルなのにSD解像度”のMPEG-2 TSや、アナログ放送を録画したDVD-VR形式の動画を、MPEG-4 AVCに変換しなくてもHD DVDやDVDのメディアに記録できる点もHD Recの大きな特徴になっている。1枚のメディアにMPEG-4 AVCやMEPG-2 TSなどの番組を混在させることができるため、ユーザーは録画モードの違いをあまり気にする必要がないという。
同社デジタルメディアネットワーク社デジタルV事業部の片岡秀夫氏は、BDレコーダーに採用された「AVC Rec」を引き合いに出し、「DVDメディアに書き込めるのはAVCに限られてしまう上、BD-RにDVD-VRを記録することもできない。録画方式が異なるとディスクの交換や等速の再エンコードが必要になり、ユーザーに難しい操作を強いる。それでいいのか?」と指摘する。その上で「HD Recなら、“お皿”(HD DVD-RもしくはDVDメディア)が変わっても同じように扱える」と、その利便性をアピールした。
なお、「RD-A301」は出荷開始時点ではHDDへ直接TSEモードで録画することはできないが、バージョンアップで対応する予定だ。またコピーワンスの規制緩和となる「ダビング10」については、技術仕様や放送開始時期など詳細が決定した後でバージョンアップを行うという。
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