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» 2007年10月31日 20時26分 公開

「KURO」で味わうクレイアニメの“空気遠近法”山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/2 ページ)

映画はもちろん、マジメにつくられた音楽ライブやスポーツ番組、旅紀行モノなどにもハイビジョンの凄さ、映像の感動喚起力の偉大さを痛感させられるものがある。この連載では、ぼくが観て感動したソフトとハードの話をわかりやすく書いていきたい。

[山本浩司,ITmedia]

 昭和30年代以降、テレビは茶の間の片隅に鎮座する王様であり、安価で便利な娯楽装置であり続けた。ごろんと横になってへらへら笑いながらお笑い番組を見たり、メシを食いながらニュースに耳を傾けたり。そんなテレビとの付き合い方を否定するつもりは毛頭ないし、ぼくだって事実1日のうち何時間かはそんな時を過ごしたりする。

 しかし、昨今の高画質化著しい薄型テレビやプロジェクターをそれだけに使うのはもったいない。もっといえば、地デジで放送されているバラエティやお笑いやニュースが見るプログラムのほとんどだという方は、大画面テレビを買う必要すらないのではないかと思う。だって、少なくともぼくはホソ○カズコ女史やミ○モンタ氏のアップを50インチで観たいとは思わない。できれば勘弁してほしいと思う。

 しかし、高画質な大画面で観て初めてその面白さ、魅力が伝わってくるプログラムも当然存在する。大画面を前提に制作される映画がまずその筆頭に挙げられるが、ほかにもマジメにつくられた音楽ライブやスポーツ番組、旅紀行モノなどに、ハイビジョンの凄さ、映像の感動喚起力の偉大さを痛感させられることがある。とりわけ、昨今増えてきたハイビジョンのパッケージソフト、BD ROMやHD DVDには画質のみならず音質面でもたいへんな魅力を持ったものが多い。また、同じプログラムソースを再生しても、映し出すディスプレイやプロジェクターによって驚くほど得られる感動が異なることは改めて申し述べるまでもないだろう。

 本連載では、最近ぼくが観て感動したソフトとハードの話を、できるだけわかりやすく書いていきたいと思う。

最新アニメのクオリティを堪能

 BDやHD DVDでハイビジョンソフトを日常的に楽しむようになって、それまであまり関心がなかったのに、そのハイクォリティ感に惹かれてよく観るようになったジャンルの作品がある、なんていうことはないだろうか。ぼくにとってのそれは、ある種のアニメーション作品だったりする。

 とくに最新のCG技術を駆使した、いわゆる3Dアニメにはびっくりするような高品質な作品が多い。ソニーピクチャーズ・アニメーションの第一弾作品「オープン・シーズン」や2006年度アカデミー賞長編アニメーション映画賞を獲得した「ハッピーフィート」(→DVD紹介)などはとくにお勧めしたい作品。2K解像度でオーサリングされたそれらのデジタル映像作品は、フルHDタイプの最新高画質テレビやプロジェクターで観ると、自分の視力が上がったような錯覚を抱くほどの高精細でヌケのよい画質が味わえる。

photo 「ハッピーフィート」はBlu-ray Disc、HD DVDともに4980円で発売中。DVD版は1枚組の通常版と(2980円)と2枚組の特別版(3980円)をラインアップ (C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 いっぽう、昔ながらの手仕事で作り上げたアニメ作品にも素晴らしい作品がある。BDで出会って、その高画質な魅力に一発でノックアウトされたのが、「ティム・バートンのコープス ブライド」(→DVD紹介)だ。

 ストップモーション・アニメと称されるこの作品、高さ30センチほどのクレイ(粘土)や樹脂でつくられたパペット(人形)を1コマずつ動かし、キヤノンの35ミリ・デジタルカメラでそれを撮影して毎秒24コマの動画像を得ている。ほんとうに気の遠くなるような作業を経て完成させているわけで、構想から完成までおよそ10年かかったという。

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