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ナナオ、デスクトップでHD映像を楽しむ液晶TV「FORIS.HD」

» 2007年11月01日 15時35分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 ナナオは11月1日、デジタル液晶テレビ“FORIS.HD”「DT27ZD1」「DT24ZD1」を11月30日より販売開始すると発表した。価格はオープンで、同社直販サイト「EIZOダイレクト」での販売価格は27V型のDT27ZD1が18万9000円、24V型のDT24ZD1が16万8000円。

photophoto “FORIS.HD”左が「DT27ZD1」、右が「DT24ZD1」。カラーはフォリスブルーとホワイトの2色が用意される

 同社はPC用ディスプレイメーカーとして知られるが、2004年より液晶テレビ「FORIS.TV」を展開、個性的なデザインと他社にはない独自の設計思想で評価を得てきた。新シリーズは「HD」の文字が示す通り、シリーズとして初めてフルHD解像度に対応した液晶パネルを備えたほか、机上というパーソナルな空間で活用できるよう、PCモニターとしての能力も高次元で実装。「モニターメーカーの考える、デスクトップでのフルHDの楽しみ方を提案する製品」(同社)として投入される。

 いずれの製品も解像度1920×1200ピクセルのVAパネルを搭載しており、輝度はDT27ZD1が380カンデラ/平方メートル、DT24ZD1が360平方メートル。視野角は上下左右ともに178度となっている。フルHD解像度(1920×1080ピクセル)のコンテンツを映し出す際には、ドットバイドット/オーバースキャン/フルスクリーンと3つの表示パターンを選択することになる。

 FORIS.TVの思想である目に負担をかけない快適な絵作りである“ナチュラルコンフォート”を踏襲しており、あくまでも自然さを追求している。NTSC比92%の広色域パネルを搭載することで色の純度を高めており、「特に赤色の表現力が高まったことで、大きなプラスを得られたと思う」(同社)。

photophotophoto パネル解像度は1920×1200ピクセル(左)、右側面にはHDMIが用意される(中)、ケーブル類は背面ボックスに収納できる(右)

 倍速駆動や中間画像生成などの機能は搭載しないが、独自回路によって最大1.6倍のコントラスト比自動拡張や自動シャープネス、周辺環境と映像内容に応じたリアルタイムの画面明るさ調整、外光に応じて黒レベルを自動調整するなど多彩な機能を備える。FORIS.TVにも実装された、応答速度を向上させるためのナチュラルオーバードライブ回路も備え、動画のボケを抑えた美しい映像を映し出す。また、ガンマと色温度については生産時に1台1台最適な調整を実施することで、必要以上に鮮やかさを強調せず、ソース本来の色調を再現するという。

 本体下部に2基搭載されるスピーカーユニットは50ミリのフルレンジバスレフ型で、机上での利用で最適な音響効果が得られるよう、正面ではなく下面を向くように設置されている。本製品を設置した机を反射板とすることで低音感を増幅しているほか、専用設計されたディフューザーが高音を拡散し、立体的な音場を構築する。

 入力インタフェースはHDMI×3(Ver1.2 背面2/側面1)、Sビデオ/コンポジット×1、D4×1のほか、PC接続用としてDVI-I×1を備える。チューナーは3波対応デジタルチューナーを1基搭載。EPGも用意されている。リモコンは学習リモコン機能も搭載する「FORIS.TVリモコン」とテレビ視聴にボタン配列を最適化した「FORIS.HDリモコン」の2種類が付属する。スタンドを含むサイズはDT27ZD1が634(幅)×529(高さ)×280(奥行き)ミリ・14.5キロ、DT24ZD1が565(幅)×483(高さ)×280(奥行き)ミリ・13キロ。

photophotophoto デザイン面での大きな特徴となっている直方体はスピーカーキャビネットも兼ねる。(右、中)、スピーカー前面にはディフューザーが設けられている(右)

 デザインについては、FORIS.TVと同じく川崎和男氏が担当。製品デザインを行う際に数式を活用しているなどの逸話とともに、ピタゴラスの定理(三平方の定理)が本製品のデザインに大きな影響を与えたことが語られた。また、将来的には、「.TV」「,HD」につづくFORISの新製品が登場する可能性を示唆した。

photophoto デザインディレクターの川崎和男氏。テレビとPCディスプレイの融合を象徴するような新発想のリモコンも準備中だという

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