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機能とデザインの“詩的”な融和――SANYO 国際デザインコンペティション

» 2007年11月05日 17時49分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 三洋電機は11月5日、「SANYO 国際デザインコンペティション 2007」の授賞式を行なった。会場にはグランプリを受賞した行徳達之さんと金築尚絵さんが登場し、審査員を務めたデザイナーの岩崎一郎さん、柴田文江さんらが総評を行なった。

photo グランプリを受賞した、行徳さん(左)と金築さん(右)
photo メリー型空気清浄機「air go round」。電解ミストとフィルターのハイブリッド空気清浄を想定しているという

 今回のコンペティションでは、環境問題に対する同社の取り組み「Think GAIA」に基づく生活プロダクトをテーマに、デザイン総合サイトデザイントープの協力のもとで作品を募集。24カ国から合計230作品が集まった。

 グランプリを受賞したのは、行徳さんと金築さんによるユニット「行徳+金築」(ギョウトク プラス カネツキ)がデザインした、“メリー型空気清浄機”「air go round」。子供用の回転するおもちゃをイメージさせるデザインで、電解水を浸透させた無数のファイバーが回転しながら電解ミストを気化させ、部屋の除菌や脱臭を行なう仕組みを提案した。

 装置の中心から放射状にぶら下がったファイバーは、まるで噴水のよう。「空気を洗う水をイメージした」と、2人の制作者は語る。子供用の空気清浄機というテーマだが、子供が成長したあとも使い続けられるようなインテリア性の高いデザインを目指しているという。

 審査員の岩崎さんは、「機能も考えられていて、その表現も“詩的”。既存の製品では、いかに装置を目立たなくするかという考え方をしがちだが、この作品は“水で空気をきれいにする”ということを目に見えるかたちで表現している」とコメント。柴田さんも「機能を感覚的にわかりやすいメリーゴーランドというアイコンに落とし込んでいるところが、とてもいい」と語った。

photophoto 岩崎一郎さん(左)と柴田文江さん(右)
photophoto グランプリの他にも優秀賞4点と技術アイデア賞4点が選出された。左の写真は優秀賞と技術アイデア賞を受賞した、河井大輔さんの「WATER ELECTROLYZER」。水道水から脱臭・除菌効果のある電解ミストをつくる充電型の装置だ。右の写真は技術アイデア賞を受賞した赤間哲也さんの「Share loop」。公共の場に設置するエネループ充電器で、数十本のエネループが装置の中で充電されており、空になったエネループを満タンのものとすぐに交換できる便利なシステムとなっている

 今回、同社のデザインに関する新しい試みとして開催されたSANYO 国際デザインコンペティション。三洋電機ブランド本部 アドバンスドデザインセンターの清水正人所長は「三洋電機が改革を行なう中で、三洋のデザインも変わって行かなくてはいけないとの思いがある。その中で2007年のグッドデザイン大賞(関連記事:今年のグッドデザイン大賞は“使い捨てないもの”)を受賞したことは、ひとつの光明だととらえている。これからも未来の子供たちに美しい地球を残すため、私たちデザイナーができることを模索していきたい」と語った。

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