のっけから私事で恐縮だが、筆者は自宅で音楽を楽しむ際のデバイスとしてロジクールのiPod用スピーカーシステム「mm50 Portable Speakers for iPod」(以下 mm50)を利用している。昔はミニコンポで音楽を聴いていたが、iPodを日常的に利用するようになり、CDを1枚1枚出し入れするのが面倒になってしまったからだ。
ただ、一口にiPod用スピーカーシステムといってもその種類は千差万別。アップル純正製品からクリプシュ、ボーズといったスピーカーメーカーの製品、数千円で購入できるリーズナブルな製品まで、店頭に行けばたやすく10以上の製品を見つけることができる。
そんななかでmm50を選んだのは、「リビングの窓際にも置きたいので奥行きはなるべく短く(フットプリントは小さい方がベター)」、「リビングからデスクサイド、寝室など家庭内で頻繁に移動することもあるので乾電池ないしバッテリー駆動が可能なこと」、「テレビとの接続は行わないのでビデオ出力は必要ない」、「BGMメインなので聞き疲れしない音」という4要素を条件とした結果だった。
結論から言えばこの選択には満足している。お世辞にも広いとは言えないマンション暮らしなので、設置面積は少ない方がありがたいし、バッテリー駆動もキッチンに立つ時間の長い家人にラジカセがわりとして歓迎されているようだ。音質も正直に言えばさほど期待していなかったが、BGM再生用として考えれば十分なレベル。これといったクセがないので、「ながら聞き」するには心地よく使える。
そんななか、mm50の後継となる「Logicool Pure-Fi Anywhere」(PF-500BK/PF-500WH、以下 PF-500)が登場した。主な特徴は継承しつつも、細部に改良が加えられているのがポイントだ。mm50ユーザーの目からPF-500はどのように見えるのか、レビューで迫ってみた。
本体サイズは337(幅)×40(奥行き)×93(高さ)ミリとmm50(325×35×105)より奥行きは5ミリ大きくなったが、利用時には背面スタンドを引き出すことになるため、5ミリの大型化はほとんど設置性に影響しない。それよりも、上面のスラント(傾斜)形状が変更されたため、数値よりも小ぶりになったような印象を受ける。
内蔵するリチウムイオン充電池によってバッテリー駆動が可能な点も変わらない。バッテリー駆動時間も約10時間で共通。mm50は背面にDock端子が用意されておりiTunesとの同期も行えたが、PF-500では省かれてしまった。主な設置場所がPCのそばならばこの変更点はマイナスだが、筆者は「同期時にはPCのそばにiPodを持ってくればいい」という考えなので、個人的にはマイナスには感じなかった。
スピーカーは高音域を担当する5センチのフルレンジドライバーと、低音域を担当する7.6センチのプレッシャードライバーという構成で、これも両者共通。ドライバー間の距離がどうしても稼げないという構造上の不利を補うため、mm50は「3Dステレオ」、PF-500は「StereoXLテクノロジー」と呼ばれる技術によってステレオ感を高めるとされている。確かにそれらをONにすると両製品ともに広がり感がプラスされるが、電気的な処理であるためか、ややその効果が気になることもあった。
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