デジタル一眼専用のオープン規格「フォーサーズシステム」を提唱するオリンパスが、2003年発売の「E-1」から約4年ぶりとなるフラッグシップ機「E-3」を発売した。約5段分の効果をうたうボディ内手ブレ補正や、可動式液晶を使ったライブビュー機能、11点測距の高速AF、視野率100%対応のファインダーなど見どころ盛りだくさんの多機能モデルである。
ボディは、マグネシウム合金による頑丈な作り。今年発売した下位モデル「E-410」や「E-510」は小型軽量ボディで人気を得ているが、E-3は携帯性よりも強度と剛性を重視。同時発売した新しい標準ズーム「ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD」を取り付けると使用時重量は1.5キロ近くになり、じっしりとした手ごたえを感じる。
ファインダーは倍率1.15倍のペンタプリズムで、プロ機の証しともいえる視野率100%を実現。ファインダー内の下部には、絞りやシャッター速度のほか、感度や測光モードなど多くの撮影情報が表示され、ファインダーから目を離さず各種設定を切り替えられる。
AFは、全点クロス式の11点測距タイプ。新発売した超音波駆動方式(SWD)のレンズ使用時は、静粛でスムーズなAF駆動ができるほか、SWD非対応の従来レンズでのAFもスピードアップした。暗所や動体の撮影もこなせる快適さだ。連写は最高で秒間5コマに対応する。
液晶モニターは、左右に180度、上下に270度まで回転するバリアングルタイプの2.5型23万画素を装備。ライブビュー表示を見ながら自由な構図で撮影できる。同社は、従来機「E-330」でデジタル一眼に可動液晶をいち早く採用したが、このE-3ではE-330のように上下だけでなく左右にも動かせるため、画面の縦横を問わずフリーアングル撮影がしやすくなった。
ライブビューは、背面下部の専用ボタンを押すと、内部のミラーとシャッター幕が開き、撮像素子を通じたリアルタイム映像を液晶表示する仕組み。方眼や目盛などのガイドラインを表示したり、画面内の任意の部分を拡大して厳密なマニュアルフォーカス操作をしたりできる。ライブビュー中のAFは、背面のAEL/AFLボタンを押して作動させる。あるいはシャッターボタンを全押しすると、合焦の直後に撮影が行われる。
ライブビュー中は、シャッターボタンの半押しでAFが作動しないのはちょっと残念に思う。メーカーによると、AF駆動時に生じるミラーのアップダウン音をレリーズ音と勘違いしないために、あえてAFの動作を別のボタンに分けたとのこと。AFL/AELボタンを使いこなすことが、ライブビューによるフリーアングル撮影を楽しむコツといえそうだ。
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