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れこめんどDVD:「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(Blu-ray Disc)DVDレビュー(1/3 ページ)

» 2007年12月14日 08時44分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

問答無用の娯楽作品

「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(Blu-ray Disc)」

発売日:2007年12月5日
価格:4935円
発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント
上映時間:169分(本編)
製作年度:2007年
画面サイズ:ワイドスクリーン
音声(1):リニアPCM/5.1ch/英語
音声(2):ドルビーデジタル/5.1ch/英語
音声(3):DTS/5.1ch/日本語
音声(4):ドルビーデジタル/5.1ch/日本語
音声(5):ドルビーデジタル/5.1ch/タイ語
音声(6):ドルビーデジタル/5.1ch/ポルトガル語

 世界中で空前の“海賊”ブームを巻き起こした「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの最終章、シリーズ第3作となる「ワールド・エンド」。5月25日から始まった世界同時公開で、日本は堂々110億円の興行収入を記録した。映画館にはコスプレをした熱狂的なファンを含むあらゆる年代層が集まり、改めてこのシリーズの強さを確認させたわけだが、AVファンにとっては今年最高のクオリティともうたわれたシリーズ1作、2作のBD版を超える仕上がりになっているかが気になるところ。早速チェックしてみた。

 「スパイダーマン3」「ダイ・ハード4.0」などシリーズものが乱立する今年春から夏にかけての映画界で、最も注目を集めた「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」。世界同時公開ということもあって、マスコミに向けての事前の完成披露試写は行われず、全ては謎のベールに包まれたまま、一斉公開となった。

 前作「デッドマンズ・チェスト」で、タコのようなモンスター、クラーケンに飲み込まれたジャック・スパロウの行方は映画を見た人ならば気にならない人はいないはずだろうし、ウィル・ターナーとエリザベス・スワンの恋の行方、第1作で死んだはずの宿敵バルボッサが第2作のラストでは復活するなど、第3作への期待はいやが上にも高まっていた。

 筆者も公開された週末、同じく期待に打ち震えていた娘と一緒に劇場に足を運んだ。映画を見る前はシリーズ最長の2時間49分という長尺にたじろぎながらも、見始めたら時が過ぎるのを忘れ、瞬く間に時間が過ぎていったことに驚かされた。第1作、第2作ももちろん劇場で見て面白いとは思ったが、世間で騒がれるほど熱狂すべき作品なのか、多少疑問に感じた。だが、今回は正真正銘、問答無用の娯楽作品に仕上がっている。

 基本的なストーリーはこうだ。世界制覇を狙う東インド会社のベケット卿が、前作の悪役デイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れ、彼を操ることで海賊を絶滅しようと画策する。海賊存続の危機を感じたバルボッサは9人の海賊長を集めて評議会を行い、一致団結してベケットに立ち向かおうとするが、それには海賊長の1人であるジャック・スパロウの協力が不可欠になる。

 また、それぞれに思惑のあるウィル・ターナーとエリザベスも協力することに。ジャックが捕らえられている“ワールド・エンド”(世界の果て)への地図はシンガポールにいる中国の海賊長サオ・フェンが持っている。彼らはその地図を手に入れ、ジャックを救う旅に出る……。

注目はチョウ・ユンファとキース・リチャーズ

 キャストはお馴染みのジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイの加え、ジェフリー・ラッシュ、ビル・ナイ、ステラン・スカルスゲートなどのレギュラー陣もしっかり顔をそろえている。

 しかし、今回の目玉は香港映画ファンにはあまりにも大きな存在であるチョウ・ユンファの登板だろう。「男たちの挽歌」でブレイクし、「リプレイスメント・キラー」以降はハリウッドでも活躍を続ける大スターである。

 また、ジョニー・デップがジャック・スパロウの役作りのために参考にしたローリング・ストーンズのキース・リチャーズがジャックの父親役で登場。出番は多くないが、その圧倒的な存在感で見事に見せ場をさらっていく。この2人については特典のメイキングでも詳しく触れられているので、出演シーンが少ないと不満を持った人はぜひとも特典を見てもらいたい。

 監督は前2作と変わらずゴア・ヴァービンスキー。ほかの監督作には「ザ・メキシカン」「ザ・リング」などがあるが、基本的にここ数年は「パイレーツ」シリーズに集中しているフィルモグラフィとなっている。メイキングでは精力的に演出している様子が確認できるが、スタッフに「こんな大作に関われる機会は滅多にないぞ!」とまるで自分に対しても士気を鼓舞するような姿に好感が持てた。

 製作はご存知ジェリー・ブラッカイマー。次々とヒット作を連打し、ブラッカイマー・ブランドを定着させた人物である。正月の話題作「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」のプロデューサーも務めている。

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