国内外のWebショップやオークションを見ても、「ガジェット好き」への殺し文句の定番は、「限定」「レア」「世界で1つ」「デッドストック」などだ。今回、筆者は「世界で1つ」というキャッチコピーに魅せられてHacoaブランドの木製組立キーボードを入手して悪戦苦闘する羽目になった。
「Hacoa」は山口工芸のプロデュースする一連の木製商品のブランドだ。会社は福井県の鯖江市にある。伝統工芸である木製品とテクノロジー製品とのコラボレーションのひとつの成果が今回ご紹介する「木ーボード DIY Kit」(ウオールナット製 H901K-W)だ。今回、筆者が数時間に渡って悪戦苦闘したのはDIY製品だが、購入してすぐに使用できる完成品(5万400円)も販売されている。この完成品は特に人気が高くほぼ常時売り切れ状態のようだ。
自分でキートップの裁断を行い、サンドペーパーをかけ、組み立てることによって約1万3000円ほど得する計算だが、「基本のメカ部分以外は自分の手で組み立てた」という愛着が永遠に持続できるところがメリットだろう。さて、今回、めずらしくポカポカと暖かい冬の日曜日の午後、自宅に届いた「木ーボード」のキットを組み立て始めた。
PC互換パソコンのパーツは、そのほとんどが茶色の何の変哲もない段ボールに入ってくるのが常だが、Hacoaの木ーボードは、比較的高級感の漂う黒一色の化粧箱で届けられた。早速パッケージを開け、同じくブラックの中板を取り除くと、見慣れたキートップが横に何個も連なった、今まで見たこともない裁断前のキートップの団体を拝むことができる。キャラメルのようなキートップを見慣れている眼には異様な光景だ。次から次にパッケージから出てくるパーツや工作ツール、補助材は全部で13点ある。
当キットでは、中心となるメカ部分の「キーボードベース」は既に完成した状態の外装をウッド素材で包んだ半完成品が同梱されている。パーツとしてはそれ以外に、裁断した後のキートップをキーボードベースに取り付けるためのジョイントパーツが2種類付属する。
また、このキットではスペースキー等の幅のある大型キートップも1つのジョイントパーツでキーボードベースに取り付ける。そのため、バランスの取れたタクタイル(押したキートップの反発戻り)を実現するために反発材(スポンジ)が付属する。それら以外は、つながった状態で届けられるキートップをバラバラに裁断するための作業台やノコギリ、小さなハンマーやマイナスドライバー、研磨補助剤、サンドペーパー(2種類)、両面テープなどだ。
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