ワーナー・ホーム・ビデオは日本時間の1月5日朝、HDパッケージソフトをBlu-ray Disc(BD)のみに一本化すると発表した。ワーナーは今年5月まで、予定されているHD DVDビデオパッケージを提供するが、それ以降はBDのみに供給する。
この発表に伴い、米国時間の6日夜に予定されていたHD DVD Promotion Groupの発表会は中止となり、東芝DM社・社長の藤井氏も渡米をキャンセル。東芝関係者によると、HD DVDに関連した取材アポイントメントはキャンセルする方向で話をしているという。
ワーナー・ブラザーズ・ホームエンターテイメントグループ社長のKevin Tsujihara氏は昨年1月、HD DVDの売り上げがBDを上回ると発言していたが、徐々に態度を変化させ、昨年後半にはBD一本化の方向で、Blu-ray Disc Association(BDA)内での足場を固めるべく関係者と調整。昨年末にはBusiness WeekでワーナーのBD一本化を予測する記事が掲載されていた。
そもそも、昨年に入ってからの平均値で、北米でのHDパッケージソフト売り上げのうち2/3をBDが占めており、欧州、そしてほぼBDで固まっている日本ではさらにBDの売り上げが高いという状況だった。ワーナーとしては、このタイミングでフォーマットを一本化することで、売り上げ下落が顕在化してきたDVD市場を補完する意味でもHDビデオパッケージ市場を立ち上げていきたいという意図がある。
今回のCESでも、ワーナー・ブラザーズが記者発表会場を予約していることが判明してからは、BD一本化の発表が行われるのではないか? と言われていたが、結局はCES直前にBD一本化の発表に至ったようだ。
ご存じのようにDVDの売り上げではディズニーと首位を争うワーナーだが、ライブラリとして保有しているコンテンツ資産、毎年の映画公開本数など、コンテンツの充実度では他の映画スタジオを大きくしのぐ。ワーナーがHD DVDタイトルのおよそ半分を供給しており、今後の北米における次世代光ディスク戦争に与える影響は大きい。
これがフォーマット戦争の「終わりの始まり」になる可能性は非常に高いと言える。
今後注目されるのはHD DVDを牽引する東芝と、HD DVD陣営のユニバーサルおよびパラマウントの動向だろう。CESにおいて、その流れは一気に加速するとみられる。最初に行われるのは東芝アメリカの記者会見、そしてその翌日には松下電器AVC社・社長坂本俊弘氏の基調講演とBDAの記者会見がある。
ここでの勢いの差がどれほどのものなのか、現地からリポートしたい。
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