一方、ディズニーホームエンターテイメント上席副社長のゴードン・K・ホー氏は「ワーナーの発表は、BDが消費者にとって優れたフォーマットであることを証明したものだ。彼らは両方のフォーマットでタイトルを発売し、そして消費者の反応を確認した上で判断した」と話し、フォーマット戦争の終結予測は具体的に示さなかったものの「次のクリスマスは(ホワイトクリスマスならぬ)ブルークリスマスになるだろう」とコメントした。
さらにHD DVDとBlu-ray Discの両方をサポートするヒューレット・パッカード戦略及び技術ライセンス室ディレクターのクリフォード・ロウブ氏にも、今後の対応について尋ねてみた。
HPは今後もHD DVDへの対応を(数年は)続けるとしたものの、フォーマット戦争に関しては「個人的な見解だが、すでに終焉したと思う」と核心に踏み込んだ。5月まではワーナーの新作もHD DVDに供給されるため、あと6カ月ぐらいはフォーマット戦争が続くだろうが、それ以降はフォーマット戦争と言える状態ではなくなるのでは、と予測する。
なお、コンシューマ向けPCに対しては「既存ソフトや今後発売されるソフトの再生機能を提供するため」(ロウブ氏)HD DVDドライブも搭載するが、ビジネスPCに関してはデータ記録用途という側面が強い事から、BDドライブのみの搭載しか考えていないという。
このようなコメントが出る中、ハリウッドのホームビデオビジネス担当者たちの間では「BD対HD DVDのフォーマット戦争」から、「BD対ネットワークビデオ配信がどのような関係で発展していくか」に話題の中心が移ってきている。
つまり、BDの敵はHD DVDではなく、ビデオ配信であるという論調だ。この話題はパッケージメディア対ネットワークという、DVD時代にもあった議論の延長だ。BD規格にはネットワーク機能も取り込まれており、今後の発展次第ではネットワークコンテンツもBlu-rayの名前の元に取り込んでいく可能性もあるだろう。また、性質が異なる2つの流通経路は、互いに併存していくという意見も多い。
また、今年前半まではBDを支持するハードウェア、ソフトウェアメーカーによる共同プロモーションを盛んに行うだろうが、今年後半からクリスマスシーズンにかけて、各社は市場におけるライバル関係になる。
フォーマット戦争は終わりに向けての動きが早まっているものの、パッケージメディアやレコーダ用メディアのDVDからBDへの移行は、これからが正念場。さらにBDを支持する各社間の競争も激しくなる。次世代光ディスクを巡る動きは、このCESから新しいフェーズに突入した。
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