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iPodをホームオーディオの主役にするLars&IvanのハイブリットアンププロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(2/4 ページ)

» 2008年01月29日 08時30分 公開
[竹村譲,ITmedia]
photo 真上から見ると……どことなく角の短いマグマ大使かも……

 PA40Tiは、最近はいろいろ種類の増えてきたiPod Dockの付いたオーディオ機器の中でも極めて目立つ外観をしている。両サイドにシャープなクーリングユニットを備えたかまぼこ型だ。天板上の左右には2本の真空管が透明アクリルのドーム型カバーで保護され、暖かいオレンジ色の光を放つ。 中央奥にはiPod Dockが装備され、最適なアダプターを使用することで、さまざまなiPodをドッキング可能だ。真上からPA40Tiをながめると、まるで「短い角のマグマ大使」みたいにファニーだ。

 正面の左側には、PHONO/CD/AUX/iPodの4つの入力を選択するモードセレクターと、赤外線リモコンの受光部がある。そして中央には、プッシュ式の主電源スイッチがある。主電源スイッチは常にオンにしておいて、リモコン側でスタンバイ(省電力モード)と復帰状態を切り替えてオペレーションすることが実用的だろう。

 モードセレクターのツマミは、右に回転させることによって音楽ソースをPHONO→CD→AUX→iPodと選択するが、右端のiPod位置からさらに右に回転させることで、最初のPHONOにショートカットできる。単なるiPod専用のDock付きアンプではなく、PHONO入力端子やAUX入力端子を備えていることから、アナログレコードのコレクションを持つオールディーズなオーディオファンや、インターネットラジオなどを入力ソースと考えているユーザーにも便宜が計られている。

photo 背面にはSP端子や各種音源ソースの端子がずらっと並んでいる

 本体正面右側には、リモコンの音量調節ボタンと連動して回転するモータードライブの音量ツマミとヘッドフォンジャックが用意されている。リモコンから制御する時も、直接指先で音量ツマミを回す時も、極めて精巧に作られ、静かにスムーズに回転する音量ツマミからは、一般的に販売されている低価格のアンプ付きiPodスピーカーとは一線を画するデリケートな気配りを感じる。

 本体裏側には前面のコントロールツマミで制御できる各種オーディオ機器の入力端子が連なっている。左半分には、日本仕様に合わせた100ボルトのAC入力と左右のスピーカー出力端子。右半分には、AUX入力端子、CD入力端子、PHONO入力端子、iPodの映像出力を外部のテレビに送り出すためのVIDEO出力端子、低域改善を実現するサブウーファー出力端子、PCとの接続を行うUSB端子がある。PA40Tiを壁面近くに設置して、アンプの裏側を上からのぞき込んでも、主要な端子の意味が即座に理解できるよう表示が180度回転した表記も併記されている。

 便利そうなVIDEO出力端子は残念ながら現在の主要なiPodでは使えない。これはLars& Ivanの責任ではなく、iPod classic以降、最新のiPod各機種ではVideo出力に規格変更があり、従来のiPodでは行えたVideo出力が、ほぼすべての周辺機器で対応不可能となってしまった。PA40Tiも例外ではなく、筆者のiPod touchでもビデオ出力を自宅のテレビで見ることはできなかった。著作権管理の関係かも知れないが、今後は、顧客中心を前提にしたアップルの柔軟な対応改善が望まれるだろう。

photophotophoto スピーカー端子は一組だけ。上から除いてもLRの文字が見えるように逆も表記(左)、オーディオ入力端子。こちらも上下逆文字を併記(中)、多機能でiPodの操作をほぼ100%実現できる優秀なリモコンユニット(右)

photo パソコンと背面のUSB端子を添付USBケーブルで接続すると、iPodの充電や同期が簡単に実現できる

 自分の机の上にPA40Tiを設置しようと考えているプチリッチなユーザーや、オーディオ装置のあるリビングで常設のPCを活用しているユーザーなら、iPodを持ち歩かないオフタイムには常にPA40TiのDockに置いて、PA40TiのUSB端子とPCをUSBケーブルで接続するのがいいだろう。 iPodはPA40Tiのユニバーサルドックを介して充電や音楽データの同期を行える。ただし、PA40TiでiPodの中の音楽を再生する間だけは、USBケーブルを外す必要がある。

 付属のリモコンは、iPodのほとんどのメニュー選択や操作を離れて実行できる。筆者宅ではリビングの出窓にセットしたPA40Tiのオーディオセットを約8メートル離れたダイニングの椅子からほぼ完璧に制御できた。しかし、残念ながら8メートル先からではiPod touchの画面の様子はまったく見えない。対策としては、リモコンキーの動作指示とiPodのメニュー構造の関係を完璧に頭に叩き込むか、望遠鏡を使うかの二者択一になるだろう。

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