実際に撮影した映像を確認してみると、従来のAVCHDハンディカムと比較して、特に解像感が増したという印象は受けないものの、色表現は向上しているようだ。撮影条件に左右されることなく、常に自然な色合いを保ってくれる。さらに、SPおよびLPモードでも目立つ部分での破綻は少ないため、低ビットレート記録でも十分に実用的といえるだろう。
また、撮影機能に関しては、新たに「顔検出機能(顔キメビデオ)」を搭載した。以前の「HDR-CX7」でも顔が含まれる場面を検出して、フェイスインデックスを作成する機能が採用されていたが、今回はさらに踏み込んだ。つまり、撮影時に顔部分の領域(複数にも対応)を検出することで、フォーカスや色、露出の自動調節を行ったり、記録時のビット配分に活用してくれる。
低照度の環境などでも意外に問題なく機能してくれる一方、顔の角度や傾きのせいか、うまく認識してくれないケースも見受けられた。ただ、逆に顔ではない物体を誤って検出してしまうことはまれであり(皆無ではないが)、検出レベルとしてはほどよいシビアさになっているようだ。ホームメニューの撮影設定で「切」にすることも可能。
また、「HDR-UX7」「HDR-CX7」などでは、動画撮影中の静止画撮影が3枚までに制限されていたが、「HDR-UX20」では無制限に撮影できる。さらに、撮影ずみ動画からの静止画切り出しにも対応した。ただし、その際の手順は、動画再生中にPHOTOボタンを押すという一般的な操作ではなく、ホームメニューの「その他の機能」タブから「動画から静止画作成」を選択して行う。「動画の分割」などの編集機能と同様の手順を踏むわけだ。
これまでのハイビジョン対応DVDハンディカム(HDR-UX1/UX5/UX7)は、いずれも決してコンパクトとはいえないサイズだったが、今回の「HDR-UX20」は58(幅)×93(高さ)×150(奥行き)ミリ(付属バッテリ装着時)と、なかなかのスリムボディに仕上がっている。撮影時質量も約560グラムと片手で楽に構えられるレベルだ。
操作はほかのソニー製ビデオカメラと同じくタッチパネル中心なので、コンパクト化に伴う使いづらさなどは特に感じない。バッテリー部分が出っ張っているせいもあって、唯一、スタート/ストップボタンの操作が若干窮屈に思えるくらいだろうか。
ただ、コンパクト化の影響を受けてか、イメージセンサーに1/5型のクリアビッドCMOSセンサーを採用しており、16:9動画撮影時の有効画素数は149万(総画素数236万)と、既存モデルの「HDR-UX7」(レビュー)や「HDR-CX7」と比べて見劣りする点は残念だ。撮影性能としては、「HDR-UX5」に近いスペックとなっている。
POWERスイッチは電源のオン/オフ、および、動画/静止画のモード切替を行うもので、ほかにメディア切替のスイッチなども装備されていない。記録メディアは、ホームメニューの「メディア管理」タブにある「動画メディア設定」および「静止画メディア設定」で、あらかじめ選択しておく仕組みだ。動画メディア設定は「HD内蔵メモリー」「SD内蔵メモリー」「HDメモリースティック」「SDメモリースティック」「ディスク」、静止画メディア設定は「内蔵メモリー」「メモリースティック」から選べる。
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