ビデオカメラレビュー「HDR-CX7」vs.「iVIS HR10」:“ソニー対キヤノン”再び。AVCHDカメラの最新2機種を比較する(前編)
AVCHD規格を採用したビデオカメラのバリエーションが豊富になってきた。今回は、様々なAVCHD機をラインアップするソニーハンディカムから「HDR-CX7」を、対抗機としてキヤノン初のAVCHDカメラとなった「iVIS HR10」の2台を、あらゆる角度から比較してみたい。
製品の小型化は、持ち運びの点では大いに歓迎すべき要素といえる。しかし、その半面、操作性の低下につながってしまうケースもありがちだ。ソニーの“メモリースティック・ハイビジョンハンディカム”「HDR-CX7」では、同社が以前からビデオカメラの操作に取り入れているタッチパネル方式が功を奏し、コンパクトながら扱いやすい製品に仕上がっている。もし、タッチパネルがなかったら、「HDR-CX7」の魅力は大きく削がれてしまったに違いない。
HDR-CX7のメニュー構成は、以前紹介した「HDR-UX7」と同様で、画面左上のアイコンで呼び出せる「ホーム」と、画面右下の「オプション」を基本とする。一般的なボタン操作に慣れている人は撮影時のマニュアル設定までタッチパネルで行うのにはとまどいを感じるかもしれないが、再生メニューでのファイル選択、あるいは編集作業などでは実にスムーズな操作が可能だ。
たとえば、テープメディアに記録するHDVカメラなどとは異なり、メモリーカードやDVDを利用する場合には、ファイルの削除もおそらく頻繁に行うに違いない。「HDR-CX7」では、「削除」コマンド(オプションメニューから呼び出す)を実行したあと、ファイル一覧上で消したい画像にタッチして選択していけばよく、複数画像の削除も容易だ(ほかに「全削除」や「日付指定削除」も可能)。
一方、キヤノンのハイビジョンDVDカメラ「iVIS HR10」は、同社の家庭用ビデオカメラでは標準仕様ともいえる「FUNC.(ファンクション)メニュー+ジョイスティック」というスタイルを継承している。こちらも操作は全般にわかりやすいうえ、本体がコンパクトだから特に使いにくいということはない。特にマニュアル撮影設定に関しては、慣れれば「HDR-CX7」のタッチパネルよりも素早い操作が可能だ。
また、「HR10」にはいちおうファインダーが装備されている(小さく、使い勝手も決してよいとはいえないが)。「HDR-CX7」を単独で使っているかぎりは、とりたててファインダーがなくて困るとは感じないものの、やはり「HR10」のほうが撮影スタイルの幅が広くなる。マニュアル操作なども含めて、撮影時の使い勝手に関しては「HR10」が上といえるだろう。
FUNC.ボタンは本体の右側面に配置されているのだが、「クイックスタート」「DISP.(画面表示)」「イージーダイレクト(写真印刷)」といった、あまり頻繁に使わないボタンに挟まれて、同列に並んでいるのにはやや疑問を感じる。指で触れた際に認識できるように工夫はされているものの(小さな突起がある)、FUNC.は操作の中心であり、頻繁に利用するボタンなのだから、サイズを大きめにしたり、端に配置するなど、より際立たせたほうが望ましい気がする。
ちなみに、「クイックスタート」はスタンバイ状態へと移行させるためのものだ。撮影を再開したい場合には、再度ボタンを押せば約1秒で撮影可能となる。ただし、スタンバイ状態といっても、撮影時の約半分の電力を消費するため、実際にはこまめに電源を落とす必要があるだろう。また、システム設定の「スタンバイ」項目では、スタンバイ状態から自動的に電源オフへ移行する時間を「10分/20分/30分」から選択可能だ。
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