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20世紀初頭カリフォルニアの、ある石油王の半生を描いたドス黒いサクセス・ストーリー「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が8月20日にBlu-ray Discでリリースされる。
片面2層の本編ディスクのみ、映像はVC-1で収録している。特典はアメリカの西部開拓史における油田開発のドキュメンタリー「石油の物語」のほか、「15ミニッツ」、2種類のオリジナル劇場版予告、未公開シーン、別テイクなど。
一獲千金を夢見るダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、鉱山の採掘を行っていた。ある日、牧師イーライ・サンデー(ポール・ダノ)から故郷の土地に石油が眠っているという情報を得たプレインヴューは、西部の小さな町リトル・ボストンへと赴く。そこは作物も育たない寂れた町で、彼は次々に土地を買い占めていった。そして、その地で見事に石油を掘り当て、辺境の地に富をもたらす。
しかし、イーライは、土地を荒らし、教会への寄付の約束を守らないプレインヴューをうとましく感じていた。そんな中、油田やぐらが爆発する事故が起こり、爆発で吹き飛ばされた血のつながらない息子H・W(ディロン・フレイジャー)は、聴力を完全に失ってしまう。息子を襲ったこの悲劇をきっかけに、周囲とより一層距離を置くようになったプレインヴューは、その欲望を怪物的なまでに肥大させていくのだった。
原作はアプトン・シンクレアの小説「石油!」。これに魅せられ、映画化へとこぎ着けたのは、「ブギーナイツ」「マグノリア」などで知られるポール・トーマス・アンダーソン監督だ。故ロバート・アルトマンに敬意を持ち、群像劇を十八番とする彼が、本作では群像劇から脱却し、1人の男の半生に迫っている。
アカデミー賞で最多8部門にノミネートされ、主演男優賞と撮影賞を受賞。ほかにも各批評家賞など計62部門に輝く。全米では「市民ケーン」「ジャイアンツ」と並ぶ名作と絶賛された、まさにポール・トーマス・アンダーソン監督入魂の1本だ。
本作で2度目のオスカーに輝いたダニエル・デイ=ルイスの、鬼気迫る演技に見終ればグッタリ。レディオヘッドの天才ギタリスト、ジョニー・グリーンウッドによる音楽、不吉で強烈な個性を放つ不協和音そのものが、石油王の運命を暗示している。どんなに富を手に入れても満足しない、アメリカン・ドリームにとりつかれた男の生き様に心かき乱される158分。見て損はなし!
関連サイト:http://www.movies.co.jp/therewillbeblood/(公式サイト)
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