2007年の国内向け出荷台数だけを取りあげても約1098万台にのぼり(出典:カメラ映像機器工業会「デジタルスチルカメラ生産出荷実績表」)、デジカメはすっかり身近な存在となったが、撮影された画像はどうなっているか。
友人知人へメール添付で送ったり、ブログへ掲載するといったデジタル画像ならではの使われ方はもちろんだが、利用者層の拡大もあり、印刷されるケースもかなり増えているようだ。近年、小型のフォトプリンタが定番商品となったのも、印刷需要の高まりを受けての現象だろう。加えて、最近目にする機会が増えたのが、デジタルフォトフレームを利用して飾るという活用方法だ。
デジタルフォトフレームは、音楽や動画を再生可能なマルチメディアプレーヤー的機能を持つものも多いが、基本的には10インチ程度までの小型液晶にデジカメ画像を表示するだけというデバイス。さまざまなメーカーから製品が登場しているが、機能がシンプルな分、店頭で漠然と眺めるだけでは画面サイズと価格以外に判断要素が見つけにくい。
今回は「IDJ-1030」(ポラロイド)、「DPF-V900」(ソニー)、「SPF-83H」(日本サムスン)「DPS702」(エグゼモード)、「LVF-PF71」(三洋電機)、「DF150-512S」(アイリバー・ジャパン)と画面サイズも価格も異なる6製品をピックアップ。サイズや表示画質などをチェックした。
まずは各製品の概要を紹介する。
日本ポラロイドのIDJ-1030は10.4型(640×480ピクセル)の液晶を搭載。本体下部にSDメモリーカード/MMC/コンパクトフラッシュ/メモリースティック/メモリースティック デュオ/スマートメディアに対応するカードスロットを備えている。MP3ファイルの再生も可能だが、画像についてはJPEGのみ対応、内蔵メモリとUSB端子は非搭載と機能的にはシンプルだ。
アームを含まない本体のサイズは256(幅)×313(高さ)41(奥行き)ミリ、壁掛けも可能。パッケージにはリモコンが付属する。
ソニーの「DPF-V900」は9型ワイド(800×480ピクセル)の「クリアフォト液晶」を搭載。512Mバイトのメモリを内蔵しており、USB経由でPCから画像データをコピーして表示させることができる。SDメモリーカード/MMC/コンパクトフラッシュ/マイクロドライブ/メモリースティック/メモリースティック デュオ(PRO/PRO-HG含む)/xDピクチャーカードに対応し、メディアから直接表示させることも、内蔵メモリへコピーしてから表示させることも可能だ。
縦横の位置を自動的に感知して写真を回転させるほか、画像処理エンジン「BIONZ」によって、ボタンひとつで逆光/ピンボケ/赤目/美肌の各補正が行えるのが大きな特徴。本体サイズは245(幅)×162(高さ)×38.5(奥行き)ミリ、リモコンも付属する。
日本サムスンの「SPF-83H」は8型(800×600ピクセル)の液晶を搭載。ソニーのDPF-V900と同様に内蔵メモリを備え、PC及び対応メモリーカード(SDメモリーカード/MMC/メモリースティック/コンパクトフラッシュ)のデータコピーと表示に対応する。ただし、内蔵メモリ容量は128Mバイトとなっている。
背面まで気が配られたデザインで、何も知らなければ小型の液晶テレビと思ってしまうかもしれない。「額縁」の言葉から連想される武骨さは皆無だ。USBのアップ/ダウンストリームに対応しており、PCと接続した際にはサブディスプレイとしても利用できる利便性も備えている。
エグゼモードの「DPS702」は7型ワイド(480×234ピクセル)の液晶を搭載。SDメモリーカード/miniSDメモリーカード/MMC/メモリースティック/メモリースティック デュオに対応するスロットを備えるが、SDメモリーカードとメモリースティックの対応容量が2Gバイトまでという制約もある。内蔵メモリも備えるが、8Mバイトなので大量の写真を内蔵メモリからスライドショー表示させるといった使い方には向かない。
デザインはフォトフレームのスタンダードといえるもの。アクリル板上部にセットされるフレームは交換可能で、パッケージにはホワイト/シルバー/メタリックブラウンの3色が付属する。自立用のアームはネジを緩めると上下にスライドするようになっており、設置角度を調整できるようになっている。
「LVF-PF71」はDPS702と同様、7型ワイド(480×234ピクセル)の液晶を搭載。側面にSDメモリーカード/メモリースティックに対応するスロットと、USBメモリ接続用のUSB端子を備えるが、メモリースティックについては上限128Mバイトという制限が設けられているので、実質的にはSDメモリーカード専用と思っていい。
画面サイズと縁幅のバランスも適切で、小型液晶テレビのような雰囲気。背面も国内メーカーらしく丁寧に処理されており、ボタンやスイッチ類の押し心地もよい。また、ほとんどのボタンに漢字でルビがふられているのも評価したいポイントだ。
アイリバー・ジャパンがSIRENブランドで販売している「DF150-512S」は5.6型(320×240ピクセル)の液晶を搭載。側面にはSDメモリーカード/MMC用スロットとUSBメモリ用USB端子を備える(SDHCメモリーカードは動作保証対象外)。512Mバイトのメモリも内蔵するが、メモリースティックやコンパクトフラッシュのスロットは備えていない。
フレームはウッドブラウンとクリアブラックの2種類が用意されており、交換が可能。ただ、液晶画面の大きさに比べるとフレームのサイズがやや大きいようにも感じる。USBホスト機能も備えており、USBマスストレージ対応デジカメと接続した際にはPCを介さずにデジカメのメモリカード内の写真を楽しむこともできる。
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