EOS Kiss Fのライブビュー機能は、EOS Kiss X2と同じく、撮像素子を利用する方式。背面の「SET」ボタンを押すと、内部のミラーとシャッターが開き、レンズからの光が撮像素子に直接当たることで、リアルタイムの映像を液晶に表示できる。
ライブビュー時のAFは、スピード優先の「クイックモード」(位相差検出AF)と精度優先の「ライブモード」(コントラスト検出AF)の2方式を選択できる。どちらの場合も背面AEロックボタンを押すことでAFが作動し、シャッターボタンを押して撮影を行う際にはミラーがアップダウンし、表示が一瞬ブラックアウトする。
また、ライブビュー画面の任意の一部分を5倍/10倍に拡大表示したり、リアルタイムのヒストグラムや、構図決定の目安となるグリッドを表示したりもできる。
デジタル一眼のビギナーが、コンパクトデジカメのようなスムーズなライブビュー機能を期待すると、特にライブビュー時のAFの操作感に失望するだろうが、現在のデジタル一眼のライブビューとしては標準的な内容ともいえる。可動液晶ではないが、ローアングルやハイアングルからの撮影ではそれなりに役立つし、ピントを厳密に合わせたいマクロや静物撮影などでは有効な機能だ。
撮像素子には、APS-Cフィルムサイズの有効1010万画素CMOSセンサーを搭載する。発色傾向に目立ったクセはなく、初期設定のピクチャースタイル「スタンダード」の場合、極端な誇張のない自然な色と階調を得られる。ピクチャースタイルを切り替えて、より鮮やかにしたり、落ち着いた色合いにしたりもできる。
カスタムメニューから「オートライティングオプティマイザ」を「使う」にセットした場合は、顔検出機能によって逆光の人物の顔を明るく補正したり、シーン全体の明るさとコントラストを自動的に最適化できる。気楽なスナップ用途なら初期設定の「使う」のままでいいだろう。
オートの露出とホワイトバランスに安定感があることや、ISO400くらいまでなら高感度ノイズがほとんど目立たない点には好印象を受ける。ずば抜けた性能や機能はないものの、RAW撮影と連写にこだわらないのであれば、お買い得なカメラである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR