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「技術の結晶」、バンダイが新ブランド「ROBOT魂」立ち上げ歴代ガンダムも

» 2008年08月05日 23時44分 公開
[ITmedia]

 バンダイは8月5日、新ブランド「ROBOT魂」を発表した。ROBOT魂は、これまで同社が培ってきた技術を結集したというロボットフィギュア。10月にセカンドシーズンの放送が始まる「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」を皮切りに、歴代ガンダムや「交響詩篇エウレカセブン」「マクロスF」など幅広いラインアップを展開する。

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photophotophoto 「ROBOT魂」第1弾として10月下旬に発売する「ダブルオーガンダム」。(C)創通・サンライズ・毎日放送

 ROBOT魂は、基本的に高さ12センチほどの“塗装済み完成品可動モデル”だ。しかし、造形から素材まで従来のプラスチック製ロボットフィギュアとは一線を画している。例えば素材としてABS、PVC、POMという3種類のプラスチックを使用。関節部には耐摩耗性に優れたPOM、外装や武器バーツには硬度の高いABS、そしてボディの芯になる部分には「ガシガシ遊べるように」(同社)柔軟性の高いPVCといった具合に使い分け、可動部の滑らかさと耐久性を両立させた。

 原型(マスターモデル)の制作には、3D CADによる3Dモデリングと手作業を組み合わせている。「可動の検証は3D CADで行うが、手首や腕などの微妙なラインを再現するために職人による手作り原型も使用する」(バンダイ、コレクターズ事業部ROBOT魂開発担当の田中宏明氏)。

 また金型製造には「超合金魂」シリーズと同じ“放電加工法”と呼ばれる製法を用いる。これは、スチールに電流を流しながら銅製の原型に押しつけ、金型の形状を作るというもの。パーツのゆがみが少なく、造形をシャープに再現できるのが特徴だという。

photophoto 発表会場で公開されたテストショットサンプル(左)。ABS(黒)とPOM(オレンジ)、PVC(白)の各素材が色分けされていて分かりやすい。なお、試験成形サンプルのため、製品とは異なる部分もある。光造形試作(右)は3Dモデルデータをもとに作られた試作品

 発表会であいさつに立ったバンダイ代表取締役兼チーフ・ガンダム・オフィサーの上野和典社長は、「250億円規模といわれるフィギュア市場は非常に活気のあるカテゴリ。その反面、ユーザーの目はシビアになっており、本当に良いモノだけが残る」と指摘する。そのうえで「ROBOT魂は、バンダイが満を持して投入する新スタンダード。高い満足度で高いシェアを狙う」と胸を張った。

photophoto バンダイの上野社長(左)と製品化スケジュール(右)

 ROBOT魂の第1弾は、機動戦士ガンダムOOのセカンドシーズンに登場する「ダブルオーガンダム」「アリオスガンダム」の2種。どちらも2625円で10月下旬に発売予定だ。

 また第2弾として、11月下旬に「ケルディムガンダム」(2940円)と「グラハム専用ユニオンフラッグ カスタムII」(2310円)を投入する。さらに「セラヴィーガンダム」(価格、発売日未定)など2008年度中に20アイテムまで拡大する計画だ。このほかにも、歴代ガンダム、「交響詩篇エウレカセブン」「マクロスF(フロンティア)」「コードギアス 反逆のルルーシュR2」など話題性の高い作品をラインアップする方針で、2009年度には40アイテムをそろえる。「主役機だけでなく、サブメカまでを視野に入れた展開を行う」(同社)。

photophoto 発表会には「機動戦士ガンダムOO」のメカニックデザインを担当した柳瀬敬之氏および海老川兼武氏、そして「月刊ガンダムエース」で「機動戦士ガンダムUC」を連載中の小説家、福井晴敏氏も登場して「ROBOT魂」に対する思い入れを語った(左)。参考展示の「アリオスガンダム」(右)

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