カシオ計算機のコンパクトデジカメ「EXILIM」の中でも、主力製品といえるのは、型番に「Z」の文字が含まれる「EXILIM ZOOM」シリーズだ。シリーズ共通の特徴は、スタイリッシュな薄型金属ボディにユニークな撮影機能や再生機能を詰め込んでいること。その最新作「EXILIM ZOOM EX-Z300」の製品レビューをお伝えしよう。
製品としての位置づけは、今春発売された「EXILIM ZOOM EX-Z200」の後継機だ。1/2.3型の有効1010万画素CCDや、ワイド側28ミリスタートの光学4倍ズーム、CCDシフト式の手ブレ補正機構を受け継ぎながら、撮影機能の強化を果たしている。
最大の見どころは、新開発の画像処理モジュール「EXILIMエンジン3.0」を利用して、人肌を美しく自動補正して記録する「メイクアップモード」に対応したこと。ボディ上部に新設したメイクアップボタンを押すとメイクアップモードとなり、自動的に顔検出AFが作動する。そして、人物にレンズを向けてシャッターボタンを押せば、肌の表面が補正された状態で記録される。
効果の度合いは、レベル1からレベル12までを選択でき、液晶上で補正の効果を確認しながら撮影できる。画像全体へのソフトフォーカス処理ではなく、目やまつ毛、口元などコントラストが強いエッジ部分のシャープネスは維持しつつ、肌の表面のキズやシワ、ニキビなどが目立たないように、低コントラスト部だけをソフト化してくれる。
と同時に、影になった部分を明るく補正したり、顔の輪郭線をわずかに細身に変化させる効果も加わる。下の作例を見てのとおり、レベルを高めると、髪の毛のディテールや背景の壁の質感まで溶けてしまうが、まつ毛やホクロはちゃんと残っている。画像を大きく表示・印刷する用途では、レベル6くらいまでが適するが、サービス判程度の小さな印刷用なら最高のレベル12を選ぶのもいいだろう。
メイクアップモード使用時は、撮影直後に画像処理が行われるため、非使用時よりも撮影間隔がやや低下する。といってもストレスを感じるほどの待ち時間ではない。女性の記念写真やスナップを撮る際には、積極的に利用したい機能だ。
メイクアップモードのほかにも、同社独自の斬新な撮影機能を満載する。そのひとつ「マルチモーション撮影」では、1回のシャッターで自動的に連写を行い、その連写画像を1枚のカットして合成記録できる。画像は300万画素相当になり、精細感は少々乏しいが、以下のような合成写真が手持ちのワンシャッターで簡単に撮れる。
暗部を明るく自動補正して記録する「ライティング撮影」機能や、カメラが手持ちでの夜景を自動判別して、感度やシャッター速度を最適化する「手持ち夜景撮影」機能も新搭載する。また、人物や風景、夜景、接写などの6シーンを自動的に見分けて、それぞれのシーンに応じた設定に自動で切り替わる「オートベストショット」機能も備える。
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