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近未来の省エネ液晶テレビCEATEC JAPAN 2008

» 2008年10月02日 11時37分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 レーザーテレビや壁掛けテレビ、極薄有機ELテレビ、はては3Dテレビまで、未来を感じさせるさまざまな個性派テレビがそろうCEATEC JAPANの会場だが、もう少しだけ身近な未来を提案するテレビたちもある。その筆頭が、低消費電力化を進めた“省エネテレビ”だ。

 「近未来の低消費電力テレビ」をうたう東芝の参考展示は、液晶パネルにはり付けられるフィルムを正面方向の透過率が高いものとすることで、バックライトの輝度を落としながらも、見た目の明るさを保つ。32V型では既存製品「32CV500」に比べ、年間消費電力量を約34%削減するという。

photo 東芝ブースに展示されている「近未来の低消費電力テレビ」
photophoto リアルタイムに消費電力を示し、低消費電力性をアピール

 フィルムを透過率の高いものに変更することでバックライトの輝度を抑え、結果的には低消費電力を目指すというこの手法、実はソニーが既に“BRAVIA”「KDL-32JE1」で実現しており、東芝独自のアプローチという訳ではない。そのためか、「既に技術的には完成している」(同社)とのことで、市場投入に向けた技術的な障壁は低い。

photo ソニーブースに展示されている「KDL-32JE1」

 日立製作所はバックライトに全面発光しかできないCCFLではなく、部分的な発光が可能なLEDを用いるほか、回路の省電力性を高めることで、消費電力量を従来比約50%とした液晶テレビを参考展示している。同社のロードマップによれば、液晶テレビ「Wooo UT」シリーズは2008年までは薄型化/軽量化に注力するものの、09年からは省電力化を推進するとなっており、09年モデルは参考展示品のように消費電力量を既存製品比約50%まで低減することを目標に掲げている。

photophoto 日立製作所の展示している低消費電力技術を搭載した液晶テレビ。左は省電力機能オン・右はオフ(写真=左)、シャープの展示している低消費電力液晶テレビ(写真=右)

 そのほか、シャープブースでは、同社が北海道洞爺湖サミットで展示した26V型の低消費電力液晶テレビが展示されている。この液晶テレビは同サイズの液晶テレビに比べて約1/2、表示面積がほぼ同じ28型ブラウン管テレビに比べ、約1/4の低消費電力となっている。同社では、全世界に12億台のブラウン管テレビを本製品と置き換えた場合、1000億kWh/年・3400万トンの二酸化炭素削減につながると「環境性能」をアピールしている。

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