「薄型テレビでは当たり前となった高画質を携帯で実現した――」
KDDIが秋冬シーズンに投入する新製品を表すキーワードのひとつが「画質」。世界初という3.1型ワイドVGAの有機ELディスプレイ搭載機種を2機種、同社初となる3.5型フルワイドVGA液晶搭載機種を1機種用意し、11月より開始するSTB「au BOX」とあわせ、“ビジュアルのau”をアピールする。
秋冬モデルは全7製品(及びデータカード)が提供される。その中で、“Woooケータイ”「W63H」と“EXILIMケータイ”「W63CA」は3.1型ワイドVGA(480×800ピクセル相当)の有機ELディスプレイ、“AQUOSケータイ”「W64SH」は3.5型フルワイドVGA(480×854ピクセル)という大画面・高精細ディスプレイを搭載する。
W63HとW63CAはいずれも3.1型ワイドVGAの有機ELディスプレイを搭載するが、“Wooo”のブランドネームを冠するW63Hには、薄型テレビ Woooに搭載されている画像処理エンジン「Picture Master」のモバイル版とも言える、「Picture Master for Mobile」を組み合わせる。
このエンジンは「Woooケータイ W53H」などへ既に搭載されており、外光に対応して黒ツブレを補正する「光センサー連動γ補正」やシーンにあわせてコントラストを補正する「リアルタイムγ補正」、自動彩度補正機能のほか、輪郭を鮮明にするエッジエンハンサーを備え、ワンセグやLISMO Videoなどの映像を美しく楽しめる。なお、W63HとW63CAの両モデルとも、15コマ/秒のワンセグ放送30コマ/秒に補完する「なめらかモード」を備えている。
“AQUOSケータイ”W64SHはサイクロイドではなく、フルスライドタイプのボディにフルワイドVGA(480×854ピクセル)の大型3.5インチ液晶ディスプレイを備える。3.5型という大画面は“AQUOS”のブランドネームを冠する携帯電話としては最大サイズ。
液晶パネルは「NewモバイルASV液晶」で、描画エンジンは「SVエンジン+」、バックライトはRGB成分を多く含むLEDバックライト「高演色バックライト」、表面には低反射コート「リフレクトバリアコート」などが施されている。これらの特徴や機能は既存シャープ製端末とほぼ同様だが、画面サイズの大型化にあわせた調整が行われている。
「映像の美しさ」を強調する端末を複数用意するKDDIだが、実は肝心のコンテンツ提供については手が回りきっていない。
6月に開始された映像レンタルサービス「LISMO Video」は、「スパイダーマン2」「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」などの映画作品から「HEROES/ヒーローズ」「24―TWENTY FOUR―」といったドラマ、アニメまで多くの作品を用意するが、購入はPCソフト「LISMO Port」より行う形式となっており、携帯のみでは購入から視聴までが完結しない。au BOXを用いればPCこそ不要だが、やはり携帯のみでは完結しない。
しかし、「映像サービスについては、期待をしている」と同社 取締役執行役員常務 コンシューマ事業統括本部長の高橋誠氏は自信を見せる。「権利保護を十分に行いながら、PCでも携帯でも映像を楽しめる唯一のサービスであり、この仕組みを構築しているのはKDDIだけ。トータルユーザーは300万人を越えており、期待できる分野だと認識している」(高橋氏)
同社は今年の秋冬シーズンに向け、9月に「au BOX」、10月に今回の7端末(+1)を発表しているが、まだ「第3弾の発表」があるという。正体は不明だが、映像サービスについての期待感を高橋氏が述べるところをみると、その期待に応えるサプライズなのかもしれない。
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