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コンデジ感覚の“レンズ交換式デジカメ”――LUMIX「DMC-G1」(3/5 ページ)

» 2008年11月18日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

クイックメニューでLUMIX風に操作

 操作系は、エントリークラスのデジタル一眼レフとハイエンドコンパクトデジカメが合体した感じ。

上面から。アイピースが少し後ろに飛び出ているのが気になるが、「一眼」らしい作り。右端にQ.MENUとFILM MODEが独立したボタンとして用意されているのがLUMIXらしいところ
上面にはフォーカスモード切り替えダイヤルがある。撮像素子の位置を示すマークもちゃんとついている(写真=左)。メインの操作部。電源スイッチはグリップした状態で親指を伸ばせばさっとオンオフできて便利。その向こうに連写モード切り替えスイッチがある。モードダイヤルにあるパレットのアイコンが、G1の特徴のひとつである「マイカラーモード」だ。コンパクトデジカメのLUMIXと同様の「iA」(おまかせiAモード)が用意されている(写真=右)

 グリップ部に電子ダイヤルを持っており、主なパラメーターはそれで変更する。このダイヤルはクリック式になっており、AE時は押すと露出補正、マニュアル露出時は押すたびにシャッタースピードと絞りが切り替わる仕組みだ。

撮影時の画面。上と下にびっしりとアイコンやら記号やらが並んでいる。これは画像サイズを3:2にセットした場合(写真=左)。クイックメニューを表示させると、上下のアイコンやら記号やらがそのままメニューとなり、十字キーやダイヤルを駆使してこのように設定を変更できる。これは画像サイズを4:3にしたとき(写真=右)

 背面はハイエンドコンパクトデジカメ風。十字キーがあり各キーにショートカットが割り当てられている。メニューを使った操作はLUMIXそのものだ。クイックメニューを押すと画面の上下に並んだパラメータを十字キーでさっと操作できる。慣れれば十字キーやダイヤルを組み合わせて、必要な項目にさっとアクセスできるだろう。

 撮影感覚は「一眼レフ風」で、細かな操作は「ハイエンドコンパクトデジカメ風」と思っていい。それがユニークなところだ。

マイカラーモードでは、色温度、露出、彩度について感覚的にセットできる(写真=左)。シーンモードはさらに細かく分かれている。これはマクロ向けのクローズアップシーンの場合(写真=右)
これはフィルムモードを変更するメニュー。上部のFILM MODEキーを押すと、もうちょっと細かく、各モードについて微調整ができる。マルチフィルムにすれば3枚までブラケットで異なったフィルムモードで撮れる

 機能面ではかなりLUMIX。おまかせiAモードや、各種シーンモード、インテリジェントISO感度、フィルムモード、顔検出、暗部補正、そういったLUMIXのハイエンド機(LX3やFZ28)の持つ機能が全部入っていると思っていい。だからコンパクトデジカメ感覚で使っても違和感ないだろう。

 ユニークなのはモードダイヤルにある「マイカラーモード」。ホワイトバランス・露出補正・彩度の3つについてモニターで確認しながらいじれる。デジカメの知識がなくても、十字キーの操作だけで好みの絵を作れる、ある意味「デジタル写真の絵作り入門モード」みたいな機能だ。これはいい試みかと思う。

側面にSDメモリーカードスロットがある(写真=左)。バッテリーはやや太めのリチウムイオン充電池。撮影可能枚数はCIPA規格で約350枚(EVF使用時)。EVFや液晶モニターが電気を食うため、光学ファインダー前提の一眼レフに比べるとどうしても持ちは悪くなる。本格的に使うなら予備バッテリーは欠かせないだろう(写真=右)

男性の手にはコンパクトすぎるかも

 使ってみて気になったのはボタンの位置とサイズ。全体が小ぶりであり、ボタンが小さく、隅にまとまっていて押しづらいのだ。特に背面はボディがそもそも小ぶりな上にディスプレイがフリーアングルタイプで結構場所を取っている。操作系用のスペースに余裕がないのだろう。

 ただし、「女流一眼」とコピーが打たれていることから分かるように、わたしのように日常的にカメラを触ってる大人の男性だけに向けた製品ではない。手が小さな人にはG1の方が扱いやすいのだろう。

 機能面では、LUMIXらしさがそのまま受け継がれており、コンパクトデジカメからステップアップした人もまったく戸惑わずに使えるカメラだ。

 そんなわけで、感想は冒頭に書いたとおり、コンパクトデジカメ感覚で使えながら、レンズ交換もできて、なおかつコンパクトデジカメとは格が違うフォーサーズの画質が得られる、新感覚のレンズ交換カメラなのである。

 今回はコンパクトデジカメからステップアップしたい人のカジュアルな「デジタル一眼」って製品だが、デジタル一眼レフユーザーのサブカメラ、ワンランク上の高画質スナップカメラなどいろんなコンセプトの製品がそろってくれば、すごく面白い存在になるに違いない。

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