といっても、背景の問題もあって、どうしてもこっちから撮りたい、ということもある。どうしても背景にこれを入れたい、とか。そういうときは人工的に光をコントロールしちゃう。
これは内蔵フラッシュを強制発光させて撮った例。フラッシュを使うと目元がくっきりして目の中に白い光が入る(キャッチライトという)。
フラッシュの光は写りが不自然になることがあるので、普通は「レフ板」を使う。光を反射させる板のことで、これを使って光を反射させて反対側から当ててやることで、光の当たり方を柔らかくし、陰影を弱めるのだ。
日差しが強くても、彼女が少し下を向けば(つまりこちらが下から撮れば)まぶしくはなくなる。というわけで、少し下から青空をバックに撮ってみた。
レフ板がないと陰影がすごく出てしまうが、撮影者から見て左下にレフ板を置いて太陽光を反射させて顔に当ててやると、顔全体に光があたって陰影が弱まる。
本格的に人物を屋外で撮るなら必需品。めんどくさくて大げさだけどね。でも光を反射させて当てるという考え方は重要で、例えば、日差しの反対側に白い壁があれば、そこに反射する日光を使うって手もあるのだ。
光といえばもうひとつ大事なのが光の色。ホワイトバランスである。
特に公園のように緑が多い場所では、こういうことがおきる(写真=左)。オートホワイトバランスが働いて、顔が白っぽくなっちゃうことがあるのだ。カメラによって違うので一概には言えないが、森の中はこんな風に写りがち。
そういうときはすかさずホワイトバランスを太陽光にセット(写真=右)。こっちの方が肌色がきれいである。昼間の屋外で撮るとき、困ったら「太陽光にセットしとく」のはいい手。RAWで撮っておけばホワイトバランスは後からいくらでも変更できるし。
デジタル一眼レフは被写界深度が浅い。コンパクトデジカメに比べるとピントの合う範囲が非常に狭いので、顔のアップを撮ると(特に明るいレンズで撮るとき、望遠レンズで撮るとき)、顔の一部にしかピントが合わない。例えば、「50mmF1.4」のレンズをデジタル一眼レフにつけてF1.4で1.5メートル離れた被写体を撮った場合、ピントの合う範囲は5センチ弱しかないのだ。
そんなときの基本は「目」。ピントは目に合わせるのが基本。顔が斜めに向いているときは、手前側の目である。
カメラの液晶ディスプレイでは違いは分からなくても、パソコンの画面で見たり、大きくプリントするとそういうのってすごく目立つ。特に人の顔を見るときは目に注目しちゃうからだ。
逆に、ボカしたくないときもある。背景もしっかり撮りたい、背景と一緒に撮りたい、というとき。そういうときは絞り値で調整する。
絞り込むほど被写界深度は深くなる。その分シャッタースピードが遅くなるのでほどほどに。F1.4とF10だとこれだけ違いが出る。
背景のボケ具合がまるで違うのが分かると思う。F10だと後ろの木がくっきりしてる。森の中〜って感じ。
あとはお好みで
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