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レビュー
» 2009年02月10日 11時05分 公開

レビュー:トイカメラやフィルムの味を表現するデジ一眼――オリンパス「E-30」 (3/4)

[永山昌克,ITmedia]

フリーアングル液晶&ライブビューに対応

 一眼レフ機としての基本性能にも触れておこう。ボディは、同社のフラッグシップ機「E-3」とエントリー機「E-520」の中間くらいの大きさと重さで、フリーアングル式の2.7型液晶を搭載する。防じん防滴構造ではないが、外装には適度な高級感と剛性感があり、写真を撮るぞという気分にさせてくれる。

photo キットレンズ装着時のボディバランスは良好

 最大で効果5段分のボディ内手ブレ補正や、全点ツインクロスの11点AFセンサー、秒間5コマの高速連写などをE-3から継承。ファインダーは視野率98%のガラス製ペンタプリズムを採用する。

 機能としては、露出/ホワイトバランス/フラッシュ光量/ISO感度のブラケット撮影や、白とびや黒つぶれを抑える階調オート、発色傾向を切り替える仕上がりモード、外部フラッシュのワイヤレス発光、強力なダストリダクションシステム、顔検出AF、レンズごとのAFの微調整機能などに対応する。カメラの「あおり」と「水平傾き」をバー表示で知らせる電子水準器機能も新搭載した。

 ライブビューは、背面下部にある専用ボタンを押すと作動する。ライブビュー時のAFは、撮像素子によるコントラスト検出方式となる「ハイスピードイメージャAF」のほか、通常のファインダー撮影と同じ位相差検出AFが働く「全押しAF」、および両者を併用する「ハイブリッドAF」の3方式を選べる。

 この3つのAF方式のうち、初期設定であるハイスピードイメージャAFは、対応レンズが現状ではキットレンズなど8製品に限られることや、合焦速度があまり速くない弱点はあるものの、ピント合わせの際にミラーがパタパタと上下しない点がメリットになる。ハイスピードイメージャAF作動中は、うぃーんという作動音が少々うるさいが、手ブレ補正機構をOFFにすれば作動音を軽減できる。

 合焦速度を重視する場合は「全押しAF」に切り替えたい。この方式では、文字通りシャッターボタンを全押しした瞬間に、内部のミラーがアップダウンして素早くピントが合い、その直後に撮影が行われる。シャッター半押しによるAFロックはできないが、AEL/AFLボタンによるAFロックは可能だ。

photo 可動液晶モニタ&ライブビューにより、自由なアングルでの撮影ができる

数多い操作ボタンとメニュー項目

 各種機能の操作性については、数多くのボタンを備えることで、主要機能にダイレクトにアクセスできるよう配慮されている。露出補正/ISO感度/ホワイトバランスの3つは天面のボタンで、フォーカスモード/測光/ドライブモード/AFターゲット/手ブレ補正などは背面のボタンでそれぞれ素早く設定できる。

 また、各種の撮影情報を液晶表示する「スーパーコンパネ」機能を利用すれば、OKボタン+十字ボタンで、より細かい機能のダイレクトアクセスも可能だ。さらに、メニュー内のカスタム機能をよって、Fnボタンに好きな機能を登録したり、十字ボタンにAFターゲット選択の機能を割り当てたりもできる。

 このように機能設定には様々な工夫が施されているが、すべてを使いこなすには多少の時間と慣れが必要だろう。例えば初期設定の状態では、電子水準器やマルチアスペクト機能はメニューの深い階層内にあり、設定画面を呼び出すまでにボタンを何度も押さなければならない。これがもどかしい。ボタンのカスタマイズ機能や、カメラの状態を記憶させる「マイモード」や「カスタムリセット」機能をうまく活用することが、本機の多機能を生かすコツといえる。

photo 背面にはボタンやダイヤルが満載。メニューの設定項目も多い

 撮像素子は4/3型の有効1230万画素 Live MOSセンサーを採用。最上位機E-3よりも高精細で、キットレンズの光学性能と相まって遠景の細部まできっちりと解像する。感度は最高でISO3200に対応。画質重視ならISO400またはISO800くらいまでの範囲で使いたい。オートホワイトバランスの安定感は従来の下位モデルよりも向上した印象だ。

 トータルとしては、写真愛好家層を中心とした中級ユーザーが楽しめる、密度の濃いカメラに仕上がっている。愛好家層の中でも、ふだんからRAW現像やフォトレタッチに親しんでいる人にとっては、アートフィルター機能は不要と感じるかもしれないが、食わず嫌いにならずに試してみる価値は十分ある。

photo 記録メディアはCFカードとxDピクチャーカードのダブルスロット。バッテリはE-3やE-520と共通のもの

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