今春のフルHD対応デジタルビデオカメラは、AVCHD形式で内蔵HDDや内蔵メモリに動画を記録する製品が主流だ。ということは、内蔵メモリ/HDDがいっぱいになれば、何らかの方法でデータを外部機器へ移さなければならない。前回は今春モデルのトレンドについて説明したが、今回はビデオカメラのデータ保存や編集の方法について見ていこう。
まずはPCを使わずに保存や編集を行なう方法について見ていこう。
メモリカードスロットを備えたデュアル記録対応モデルの場合は、メモリカードへデータを移すのが最も手軽だ。ただ、HDD内のデータとなれば、保存に必要なカードの枚数も相当なものになり、価格低下が進んだとはいえ、コストもバカにならない。このため、より安価な方法として、外付け機器によるDVDメディアへのダビングが考えられる。
AVCHDカメラについては、下のように今回紹介する全メーカーが専用DVDライターをオプションで提供しており、カメラ内のデータをAVCHD形式のDVDディスクとして、画質を落とすことなく保存可能だ。完成したディスクは、DVDプレイヤーでは見られないものの、AVCHD対応のレコーダーやPLAYSTATION 3などで再生できる。ただし、キヤノンや日本ビクターの最高画質モード(24Mbps記録のモード)で撮影した動画は取り込めないといった制限もあり、万全な方法とはいえないのが悩ましいところだ。
製品名 | DW-100(キヤノン) | |
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記録可能メディア | 12cmDVD-R/-RDL/-RW | |
HD | ディスク作成 | AVCHD(HDカメラのみ) |
入力端子 | USB(キヤノン製カメラ専用) | |
ディスク再生 | AVCHD | |
出力端子 | USB(キヤノン製カメラ経由) | |
静止画保存 | USB⇒DVD-Video | |
本体サイズ | 179×275×70mm/1.9kg | |
製品名 | VRD-MC10(ソニー) | |
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記録可能メディア | 12cmDVD-R/+R/+RDL/-RW/+RW | |
HD | ディスク作成 | AVCHD |
入力端子 | USB(ソニー製カメラ専用)、メモリースティック | |
ディスク再生 | AVCHD | |
出力端子 | HDMI、コンポーネント、コンポジット | |
静止画保存 | メモリカード⇒DVD-Video(メモリースティック、SD、xD、CF) | |
本体サイズ | 198×230×75mm/1.75kg | |
製品名 | VRD-MC5(ソニー) | |
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記録可能メディア | 12cmDVD-R/+R/+RDL/-RW/+RW | |
HD | ディスク作成 | AVCHD |
入力端子 | USB(ソニー製カメラ専用)、メモリースティック | |
ディスク再生 | × | |
出力端子 | × | |
静止画保存 | メモリカード⇒DVD-Video(メモリースティック、SD、xD、CF) | |
本体サイズ | 193×222.5×66mm/1.5kg | |
製品名 | VW-BN1(パナソニック) | |
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記録可能メディア | 12cmDVD-R/-RDL/-RW/RAM | |
HD | ディスク作成 | AVCHD |
入力端子 | USB(パナソニック製カメラ専用) | |
ディスク再生 | AVCHD | |
出力端子 | USB(パナソニック製カメラ経由) | |
静止画保存 | × | |
本体サイズ | 139×138.8×18mm/390g | |
製品名 | CU-VD50(日本ビクター) | |
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記録可能メディア | 12cmDVD-R/-RDL/-RW | |
HD | ディスク作成 | AVCHD、DVD-ROM |
入力端子 | USB(ビクター製カメラ専用) | |
ディスク再生 | AVCHD、DVD-ROM | |
出力端子 | HDMI、コンポーネント、コンポジット | |
静止画保存 | × | |
本体サイズ | 152×195×42mm/920g | |
一方、日本ビクター「GZ-HD320」と三洋電機「DMX-HD2000」は、外付けHDDへのコピーに対応している。コピーした動画の再生についてはさておき、PCを使わずに外部の記憶媒体に保存できるのはありがたい。
DVDやBlu-ray Discレコーダーを持っているのなら、カメラをレコーダーに接続してダビングする方法も使える。今回取り上げた製品はいずれも、HDモードで撮影した動画をSDへ解像度変換する機能を持たないので、DVD-Video形式でディスク保存したい場合には、カメラのAV出力端子をレコーダーに接続し、アナログでダビングしてしまうのが一番手っ取り早い。アナログでのダビングなら、メーカーや機種の違いを意識せずに行なえるのも見逃せないポイントだ。
こうした専用機器や家電による手軽さには欠けるものの、最も一般的なのは、PCで保存や編集を行なう方法だろう。
AVCHDビデオカメラはすべてUSBマスストレージとして動作するモードを備えているので、Windows XPやWindows Vistaを搭載したPCなら、USBケーブル1本ですぐに動画や静止画のコピーが可能だ。動画は「AVCHD」−「BDMV」−「STREAM」フォルダに、静止画は「DCIM」フォルダの中に、各機種ごとにフォルダを切って格納されており、これらのフォルダを直接参照し、コピーすることができる。今回の特集で取りあげた5機種の中で、ただ1つAVCHD方式でない三洋電機の「Xacti」の場合は、SDメモリーカード内の「DCIM」フォルダにすべての動画・静止画が保存されており、デジタルカメラと同じ手順でデータを取り込めばよい。
ここで各製品に同梱されている専用ユーティリティを利用すると、より手軽な取り込みや簡易編集が実現できる。SDへのダウンコンバート出力や、カメラへの書き戻しに対応するものも多い。ただ、より高度な編集や、メニュー画面の編集を含むディスクオーサリングには、付属ユーティリティだけでは力不足なことも確か。そこで浮上するのがサードパーティ各社から販売されているビデオ編集ソフトだ。
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