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第115回 動物園とオリとガラスの関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2009年04月23日 11時10分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

アミとの戦いに勝とう

 とにかく邪魔なのが「アミ」である。

 アミと戦うときのポイントは2つ。ひとつめは、アミではなくその奥の動物にピントを合わせること。当たり前だけど、アミにピントが合ったらアウト。

ウンピョウ
アミにピントが合ってしまった。

 ちなみに、コンパクトデジカメはデジタル一眼に比べ「被写界深度が深い」ことがほとんどなので、アミにもアミの向こうの動物にもピントが合ってしまう。アミと戦うにはちょっと向いてない。

 で、どうするか。頭にピントの法則を入れておくといい。

 ここで狙うのは、「手前にあるアミを思いきりボケさせて目立たなくさせる」ことだ。メインの被写体とボカしたいもの(この場合はアミ)の距離が離れている方がいい。よって相手がアミの近くにいると難しい。

 写真には、絞りを開けば開くほど被写界深度が浅くなる=手前のアミが大きくボケて目立たなくなるという特性がある。よって、できるだけ明るいレンズで絞り開放で撮ること。今回はF5.6のレンズだったが、もっと高くて重いレンズだとF2.8の望遠レンズなんてのもある。まあそこまで用意するのは大変だけど。

 さらに、レンズは望遠であればあるほど被写界深度が浅くなる。

 つまりこういうこと。

70ミリ(105ミリ相当)でF4.5で撮影したウンピョウ。ピントはウンピョウに合っているけど、手前のアミがすごく邪魔だ
300ミリ(450ミリ相当)の望遠で撮影したウンピョウ。顔のアップだけど、手前のアミがほとんど目立たなくなってる。顔の前にもやっとあるのがアミ。それにしても、顔が怖すぎ

 今回はちょうどアミに日差しが当たって反射してたのでよけい目立ってしまった。なお、デジタル一眼のAFはかなりピンポイントにも合わせられるので、画面中央のAF枠をうまくアミの目の隙間にもっていけば、アミ越しでも結構AFで撮れます。だめなときはMFで。

 ではもうちょっと目立たないのを。

ドゥクラングール
こんななまめかしい姿を見せてくれた

 目立たないといっても、どうしてもアミ目がモヤっとした線となって残っちゃう。そんなときは、目元や顔など、ポイントとなる部分にアミ目が重ならないよう、AFロックしたあとでちょっとだけずらしてやるといい。

目元にちょうどアミがかかってしまった(写真=左)。ほんのちょっと(望遠なのでほんのちょっとでいい)撮る高さを変えただけで、顔がしっかり撮れる(写真=右)

 それにしても、なまめかしい、よい顔をした猿である。ちょっと見入ってしまった。

 こんな感じで、アミ目越しでもデジタル一眼+望遠レンズならなんとかなるのである。さらに、相手がアミ目より遠くにいてくれると、ちょうどアミの隙間から全体を見えるので、一目見ただけでは、アミ目越しとは分からない写真になる。

シロフクロウ。アミ目から離れたとこにいたのを望遠で

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