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地味ながらも有用な機能向上、ソニー「BDZ-RX105」を試す(後編)(1/2 ページ)

» 2010年04月19日 17時05分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
photo ソニーの「BDZ-RX105」

 前回に続き、ソニーの新しいBlu-ray Discレコーダー「BDZ-RX105」を検証していこう。今回は、新たに設けられた10倍録画モードの画質評価をにくわえ、録画予約に関する基本的な部分に着目して試用する。

10倍録画モードの実力は?

 まずは、ソニーの2010年春モデル全機種に追加されたフルハイビジョン解像度の10倍録画モードだ。従来の「ER」モードがSD解像度からハイビジョン解像度に変更された形で、これにより全ての録画モードがフルハイビジョンとなった。録画モードは、放送波をそのまま記録するDRモードを含めて7段階用意されていて、画質の変化が大きくなる低ビットレートの録画モードになるほど、各モード間のビットレート差が小さくなる。合理的で分かりやすい構成だ。

 ERモードのビットレートは、従来通り約2Mbpsとされているが、実際はもう少し高めに設定されているようだ。従来機「BDZ-RX100」のERモードで1層BD-Rに録画できる時間は24時間25分だったが、本機では21時間40分となっている。これは、パナソニック“DIGA”シリーズが2010年春モデルで採用した「HBモード」と同じ(→ついに2番組同時のAVC録画、パナソニック「DMR-BW880」を試す)。つまりERモードのビットレートも、パナソニックのHBモードと同程度の2.4Mbps前後と推測できる。

 ソニーでは、エンコードアルゴリズムの改良により、今回の10倍モード(ERモード)は、2009年冬モデルの8倍モード(LRモード)より画質が向上したとしている。残念ながら該当モデルの実機に触れていないので直接比較はできないのだが、確かにERモードの画質は悪くない印象だ。

 画質比較は、放送波をそのまま記録するDRモードのほか、MPEG-4/AVC記録から、破たんが発生しにくという点でリファレンス的な位置づけになっているSRモード(約8Mbps)、8倍録画のLRモード(約3Mbps)、10倍録画のERモード(約2Mbps)で行った。

photophoto DRモード(左)とSRモード(右)。画面の一部を切り出したもの
photophoto LRモード(左)とERモード(右)

 写真の左上からDR/SR、LR/ERの各録画モード。画面下部には川の流れがあるが、固定カメラで静止画に近いシーンだ。手前の草の部分はやはり情報量はビットレートが反映されているが、ERモードでもエッジの乱れはほとんどない。もともとMPEG-4/AVCが得意なシーンといえるが、ERモードのビットレートが約2.4Mbpsという点を考慮すると、かなり良好な画質といえる。

photophoto DRモード(左)とSRモード(右)。画面の一部を切り出したもの
photophoto LRモード(左)とERモード(右)

 左上からDR/SR、LR/ERの各録画モード。画面全体が横スクロールしているシーンだ。ERモードでは、花の中央の明るい部分でブロックノイズが発生するなど情報が欠落している様子も見受けられるが、エッジはおおむね保たれている。DR/SRモードと比較すると背景のディテールも相応に失われているものの、ハイビジョン動画としての解像感は十分にある。

photophoto DRモード(左)とSRモード(右)。画面の一部を切り出したもの
photophoto LRモード(左)とERモード(右)

 今度は、画面全体が横スクロールしているシーン。ERモードはDRモードと比較すると背景に細かい情報がなくなり、グラデーションとしての表現になってしまっているが、はっきりとしたエッジはしっかり保っている。SRモードでも同様の傾向が既に見られ、ビットレートの違いを考えるとERモードは決して悪くない。

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