ソニーの「BDZ-RX105」は、ソニーの2010年春モデルとしては最上位に位置する製品だ。型番から推測できる通り、「BDZ-RX100」のマイナーチェンジに近い位置付けで、大幅なアップデートは施されておらず、デザインもほぼ継承されている。この点は、同時発表された姉妹モデル「BDZ-RX55/RX35」「BDX-RS35」も同様で、最上位モデルは「BDZ-EX200」が継続販売となっている(→発表記事)。
ソニーの2010年春モデル共通の強化点は、まず長時間録画モードに10倍モードが追加されたことだ。従来はSD解像度だった「ERモード」が、フルハイビジョン解像度に変更されたことで、全ての録画モードがMPEG-4 AVCによるフルハイビジョン録画となった。同社によると、エンコードアルゴリズムを改良して、従来の8倍モードより高画質化したという。
また、リモコンの機能を強化し、国内7メーカーのテレビなら番組表の操作や数字キーでのチャンネル選択などにも対応した。これにHDMIリンクを合わせ、他社製テレビとの組み合わせでもリモコンの1本化を可能にしている。
そしてなにより、「スカパー!HD録画」がダブルチューナーモデル(RX型番)のすべてに拡大されている。ライバル、パナソニックのスカパー!HD録画対応モデルは、現状高価格帯の3D対応機のみとなっているため、「BDZ-RX35」などは手ごろなスカパー!HD録画機として狙い目になるだろう。
改めて「BDZ-RX105」を眺めてみよう。サイズ、デザインともにBDZ-RX100から大きな変更はない。前面に2つのワンタッチボタン(番組転送、カメラ取り込み)を備え、前面下部のカバーを開けると、基本操作用のボタンや3つのメモリカードスロットがある。奥行きは327ミリ。競合するパナソニック製品が200ミリを割り込んだことを考えると大きく感じるかもしれないが、どちらかといえば本機の方が平均的なサイズであり、設置時に困ることは少ないだろう。むしろ、AV機器然とした本機のデザインを好ましいと感じる人も多いはずだ。
2系統のデジタルチューナーとアナログ地上波チューナーを備え、1Tバイトの内蔵ハードディスクに2番組同時録画が可能。MPEG-4 AVCによる録画は1系統のみで、2番組同時録画時には片方が放送波をそのまま記録するTS録画(本機ではDRモード)となる。シャープとパナソニックが、既にMPEG-4 AVCの2番組同時録画を可能にしているだけにスペックとして見劣りするのは事実だろう。一方、ウォークマンやPSP、携帯電話などに録画番組を転送できる「おでかけ転送」、DLNAサーバ機能といった機能は、従来製品から継承している。
2010年春モデル共通の機能強化点として意味が大きいのがリモコンだ。見た目は従来製品のそれと変わらないが、従来DVDプレーヤー操作のために「DVD」と表記されていた切り替えボタンが、「STB」「スカパー!HD」の表記に変更され、ソニー製およびスカパー!ブランドのスカパー!HDチューナーの操作が可能になった。スカパー!HD録画では、録画予約はチューナー側で行う必要があるため、日常的に使うリモコンの数を減らすという点では重要だ。もちろん番組表の操作も可能になっている。
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