先月のパナソニック“3D VIERA”「VT2シリーズ」に続き、今月はソニー“3D BRAVIA”「HX900シリーズ」のインプレッションをお届けする。なお、同社の3Dテレビは6月以降に順次発売する予定のため、もちろん試聴機も最終品ではない。あらかじめご了承いただきたい。
――ソニーの3D BRAVIAはいかがでしたか?
麻倉氏:今回は、XR1シリーズの後継となる「HX900シリーズ」をメインに視聴しました。ソニー“3D BRAVIA”の中でも、直下型LEDバックライトを搭載し、部分制御(ローカルディミング)も行うシリーズです。
基本的に液晶の3Dテレビはクロストークの問題がありますから、LEDバックライトは必然。それを部分点灯してクロストークをインビジブル(不可視)にする必要があります。ソニーの3D液晶テレビもすべてLEDバックライトですが、HX900シリーズは直下型のLEDバックライト、それ以外は液晶画面の上下にLED光源を配置するエッジライト方式を採用しています(下表参照)。
型番 | LX900シリーズ | HX900シリーズ | HX800シリーズ |
---|---|---|---|
画面サイズ | 40V、46V、52V、60V型 | 46V、52V型 | 40V、46V型 |
3D対応 | 標準(3Dメガネ2個付属) | オプション(※) | |
バックライト | 白色LED、エッジ型 | 白色LED、直下型(部分制御) | 白色LED、エッジ型(部分制御) |
発売時期 | 40V/46V型:6月 52V、60V型:7月 |
7月 | 7月 |
実売想定価格 | 60V型:58万円前後 52V型:43万円前後 46V型:35万円前後 40V型:29万円前後 |
52V型:47万円前後 46V型:39万円前後 |
46V型:28万円前後 40V型:22万円前後 |
※オプションの3Dシンクロトランスミッター(実売5000円前後)と3Dメガネ(実売1万2000円前後)が必要
直下型は、サイド型に比べるとコストがかかりますが、直下型ならではの画質の良さがあります。まず、2Dの画質が非常に良好でした。コントラスト性能が高く、黒の沈み方、階調感も上々。映像に透明感があって、のびのびとした映像を見せてくれました。試作機段階の課題としては、色再現の一部にクセっぽいものがありましたが、発売までに改善されると思います。
余談になりますが、従来機のXR1シリーズは、すごく画質の良い液晶テレビでしたね。色再現、バランスのいい芳醇なコントラストなど、現存するすべての液晶テレビの中でも一番良いと思います。端正な画質で、かつハイコントラスト。これはなかなかありません。
しかし、昨年後半からLEDバックライト搭載モデルが増え、コストダウンとデザイン性(薄さ)を重視して白色LEDを使ったエッジ型バックライトが主流になりはじめました。XR1シリーズのように直下型で、かつRGBのLEDをローカルディミングしているものは、もう出てこないかもしれません。3D対応よりも2D画質の良さを重視する人は、XR1シリーズの店頭在庫(生産は終了)を探してみるのをお勧めします。今なら安く購入できるでしょう。
――HX900シリーズの3D画質はいかがでしたでしょう?
麻倉氏: 3Dにも2D画質の良さが効いています。クロストークに関しては、基本的にあまり目立ちません。動きのあるシーンでは、残像感とクロストークを若干感じるシーンもありますが、ソニーのクロストーク対策はとても出来が良いと思います。
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