4原色化の副産物といっては語弊があるかもしれないが、サブピクセル数が約1.3倍に増加したことを利用して、映像を高精細化する処理も加えられた。「フルハイプラス」と名付けられたこの技術は、まず入力信号を輝度とカラーの成分に分け、輝度側にだけスムージングをかける。これを用いてサブピクセル値を最適化することで、より滑らかな斜め線を表現する仕組みだ。「サブピクセル数は、3原色の約622万に対して4原色パネルは892万。これを制御することで、フルハイビジョンの映像をさらに滑らかに表現できるようになった」(同社)。なお、フルハイプラスはLVシリーズおよびLXシリーズに搭載されている。
AQUOSクアトロンには、3D対応の「LVシリーズ」に加え、「LXシリーズ」「XFシリーズ」の3ラインが設けられた。LXシリーズとXFシリーズの違いは、LEDバックライトの実装方法。LXシリーズは直下型のLEDバックライトを採用しているが、XFシリーズにはエッジ式を採用し、パネル部分の薄型化を図った。パネル部の厚さは、最薄部で3.9センチ。シンプルなデザインと合わせて“薄型スタイリッシュモデル”と位置づけられている。
そのデザインは、フレーム部に光沢ブラックを採用したフルフラットスタイル。AQUOSの特長であった“脚”は、金属的な質感を持つ長方形のスタンドに変更され、今年1月に「2010 International CES」で発表された北米モデルと同様のシンプルでモダンなスタイルになった。スピーカーは画面を取り囲むように設けられ、46V型以上では8つのユニットと低振動ウーファー「Duo Bass」を搭載。40V型以下も7つのスピーカーを備えている。
LVシリーズが搭載した3D機能は、フレームシーケンシャル方式。240Hz駆動の液晶パネルで左右の映像を交互に表示し、液晶シャッターメガネを赤外線で同期させることで、フルハイビジョン/フルフレーム(60fps)の3D映像を表示する。UV2A技術による高速応答性(4ミリ秒)、新開発の駆動方式「FRED」を組み合わせ、画面が暗くなりがちな3D表示でも、3D特有のクロストーク(2重像)を抑えながら明るい画面を実現した(→4つの技術で“明るい”3Dテレビ、シャープが製品化へ)。光の利用効率は、従来のASV液晶に比べて1.8倍。3Dメガネを通しても100カンデラ以上の画面輝度を確保したという。
AQUOS クアトロン 3D(LVシリーズ)では、Blu-ray 3Dに加え、デジタル放送の3D番組(サイド・バイ・サイド、トップ・アンド・ボトム)をサポート。またステレオ方式の3Dデジタルカメラで撮影した写真をIrSSを使ってテレビにワイヤレス伝送する機能も搭載している。対応するデジタルカメラは、富士写真フイルムの「FinePix REAL 3D W1」のみ(5月31日現在)。
通常の2D映像を独自のアルゴリズムを用いて疑似3D化する「2D→3D変換機能」も搭載。2D映像を視聴しているときにリモコンの「3Dボタン」を押すだけで、テレビが映像を解析して3D化してくれる。また、リモコンには「3D明るさアップ」ボタンを装備。視聴環境の明るさや好みに応じて3D映像の輝度をワンタッチで変更できる。
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