「昨今の家庭用テレビは、約91%がLAN端子を搭載。ただ、ネットワーク接続率は最大でも15%程度と、まだ低い。何が理由なのか」──。PC周辺機器メーカーから、AV家電も含めたデジタル周辺機器メーカーとしての転換を図るバッファローは6月9日、ネットワーク対応のデジタル家電を容易にワイヤレス接続できるようにする無線LAN対応イーサネットコンバータキット(テレビ用ワイヤレスユニット)「WLAE-AG300N/V2」を発表した。2010年8月上旬に発売する。
ラインアップは2台セットのスターターパック「WLAE-AG300N/V2」と、増設・中継用の単体「WLAE-AG300N/V」2モデル。価格はWLAE-AG300N/V2が1万4600円、WLAE-AG300N/Vが7900円。
WLAE-AG00N/V2は、有線LAN端子付きの機器どうし(デジタルテレビやレコーダー、PCも含む)を容易に無線接続できるようにする無線LANコンバータ。キットには同形状の単体無線LANコンバータ(WLAE-AG00N/V)が2つ同梱され、これらをセットで用いて互いを無線接続する仕組み。
2010年5月時点の家庭用テレビは、約91%(2010年5月時点の量販店POSデータより、バッファロー調べ)が有線LAN端子を備えたネットワーク対応となっており、アクトビラ(同、約60%)やDLNA(同、約35%)といった家電向けネットワークサービス・機能の利用者も日々増えてはいる。ただ、(機種によっても差があるものの)ネットワーク接続率は全体の約5%〜15%程度にとどまり、“ネットワーク機能は付いているが、使っていない”という人が大半を占めるのが現状のようだ。
「このようにネットワーク接続率が上がらない理由の1つは、“配線問題”だと思われる。例えば、ブロードバンドルータやメインのテレビ・AV機器を設置するリビングルームから、階上にあるベッドルームのプライベートテレビまで長い有線LANケーブルをはわせて接続する──などは現実的でない。このため、(PCがそうだったように)テレビのネット配線問題にもPC周辺機器で培った“無線LAN”技術が大変有効である。テレビ用無線LAN子機のオプションを用意するメーカーも増えてきたが、既存の無線LAN非対応デジタル家電ユーザーのため“WLAE-AG00N/V2”を開発した。8年連続で無線LAN機器のシェアトップ(約5割)を維持するバッファローのブランドやAOSSなどに代表する“簡単・便利”を実現する製品群や機能を(PCユーザー以外に)家電ユーザーにも浸透させたい」(バッファロー取締役の中井一氏)
コンバータ単体の主な機能は、IEEE802.11a/b/g/n対応(IEEE802.11a/nは5GHz帯にも対応)の無線LANと2つの有線LANポートを備え、約1.8メートルの電源ケーブル、あるいは電源コンセントに(ACアダプタのように)直接差せるアタッチメントプラグが付属する──いわゆる無線LAN子機として機能し、スターターパックの2台は無線LAN接続設定済みで出荷する。購入時状態のまま、やや難しい無線LANの設定なしに導入できるため、一般的な家電利用者層も導入できる簡単さを特に訴求する。無線設定は電波干渉の影響が少ない5GHz帯を優先して使用し、周囲の電波状況に応じて適切な電波チャンネルを自動選択するようになっている。
加えて、「増設・中継」できることもポイントだ。コンバータ単体の「WLAE-AG300N/V」もオプションとして用意し、インターネットにつなぎたい家電が増えた(あるいはもう1つの部屋も無線化する)場合など、現在の環境へそのまま、バッファローの簡単無線LAN設定機能“AOSS”などを用いて増設できる。同様に、距離が離れ過ぎてコンバータ2台では接続できないなどのシーンにおいて、もう間に1台増設することで無線LAN中継器としても機能する。こちらは家電利用者と言わず、ややリテラシーの高いPCユーザーもこういうのがほしかったという人は多そうだ。1台につき2台と同時通信でき、かつ中継機能を応用することで、最大7台の接続(スターターパック+5台増設)が可能という。
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