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ビクターから3DレディーのD-ILAプロジェクター「DLA-X7/X3」登場フルモデルチェンジ(1/2 ページ)

» 2010年10月25日 14時37分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ビクター・JVCは10月25日、D-ILAプロジェクターの新ラインアップとして、「DLA-X7」および「DLA-X3」を発表した。いずれもフレームシーケンシャル方式による3D表示に対応する“3Dレディーモデル”だ。また従来比120%に拡大したという色域を生かし、こだわりの画質設定が可能になっている。2機種とも12月上旬に発売する。

DLA-X7(左)とDLA-X3(右)のデザインは共通。455(幅)×472(奥行き)×179(高さ)ミリと従来機よりも少し大きくなった。DLA-X3のみブラックのほかにホワイトのカラーバリエーションを用意する。価格は、DLA-X7が84万円。DLA-X3はオープン価格だが、店頭では49万円前後で販売される見込みだ

 0.7型のD-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)デバイス3枚を使用したフルハイビジョン対応のフロントプロジェクター。D-ILAデバイスこそ従来機と変わらないが、筐体デザインから光学エンジンまでまったく新しく開発したフルモデルチェンジ機だ。同社プロジェクター統括部、商品企画グループ長の赤川智人氏によると、新製品の開発コンセプトは「基本画質の大幅な向上」と「全機種3D対応」の2つ。昨年のモデルで実現した倍速対応を3D対応に生かしつつ、より映画館に近い映像表現を求めた“シネマ画質”を大幅にブラッシュアップした。

 光学エンジンは、D-ILAデバイスドライバーからカラーフィルター、アパーチャー(絞り)、ワイヤーグリッドまですべて新設計。光源に使用する高圧水銀ランプも従来機の200ワット型から220ワットへパワーアップしており、両モデルとも1300ルーメンの明るさを実現している。D-ILAの駆動回路も新しくなり、「デジタル駆動が苦手としてた階調段差を大幅に低減して滑らかな階調表現を可能にするとともに、動画疑似輪郭も抑えた」(同氏)。倍速駆動も映像補間アルゴリズムを進化させた「新クリアモーションドライブ」となり、画像補間と黒挿入の両方を使い分ける。ネイティブコントラストは、上位モデルのDLA-X7で7万:1、DLA-X3でも5万:1だ。

DLA-X7/X3は3Dレディーモデル。「3Dメガネ」(1万7850円)やメガネを同期させるための「3Dシンクロエミッター」(9450円)は別売

 3D対応は、左目用/右目用の映像を交互に表示し、アクティブシャッターメガネと同期させるフレームシーケンシャル方式を採用。全画素を一度に表示できるデジタル駆動の特性を生かし、120Hz駆動で3D表示をサポートした。対応フォーマットは、Blu-ray 3Dのフレームパッキング、放送で主流になっているサイドバイサイド、トップアンドボトム。ただし、3D視聴に必要な「3Dメガネ」(1万7850円)やメガネを同期させる「3Dシンクロエミッター」(9450円)は別売のため、いわゆる“3Dレディー”モデルに分類される。

映画館の色に近づける多彩な調整機能

 DLA-X7では、色再現性も大幅に向上している。新しいカラーフィルターなどにより、色再現領域は従来比120%に拡大。これにより、Adobe RGBの色空間を再現可能になったほか、緑や赤、シアン系の色に深みを与えられるようになり、「再現が難しい木々の多彩な緑、移り変わる生みの色といった微細な表現を可能にした」(同社)。

 また、高効率の高圧対銀系ランプを使いながら、フィルムに近い発色を実現するため、映画館で使われるキセノンランプの特性を盛り込んだ色温度設定モードを用意。さらに、映像素材に適したカラープロファイルを新たに設け、色温度やガンマなどと合わせて画質を設定することで、もとの素材に忠実な映像再現を可能にしているという。

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