例えば、画質モード「フィルム」では、「Film1」「Film2」というカラープロファイルを選択できる。Film1はキセノンランプをイーストマンコダック製のフィルムにあてた時の色域を再現したもので、一方のFilm2は邦画でよく使われる富士写真フイルム製フィルムにキセノンランプがあたったときの色域になっている。
また画質モード「シネマ」には、HDTVの色域であるBT.709と同じ「Standard」や、DCI規格と同等の「Cinema2」、JVCオリジナルの「Cinema1」が用意されている。このほかにも、「アニメ」モードならCG系とセル画系、3Dならゲームに適した色域や3Dメガネを使用したときに最適になる色域など、多彩な画質モードとカラープロファイルを組み合わせることが可能になった(下の写真を参照)。カラープロファイルは、上位機種のDLA-X7で12種類、DLA-X3では3種類から選択可能だ。
また、ユーザーの好みで画質を調整できるカラーマネジメント機能では、従来のR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、Cy(シアン)、Mg(マゼンタ)、Ye(イエロー)にOg(オレンジ)を加えた7軸の色相/彩度/明度の調整が可能になった。オレンジを追加したことで、「人肌などの再現領域を簡易的に選択することが可能になった」(同氏)という。
さらにユニークなのは、新しい「スクリーンモード」だろう。スクリーンに投影するフロントプロジェクターの場合、テレビなどと違ってスクリーンの種類によって実際の映像にバラツキが生じる。これを吸収し、ユーザーが意図した画質に近づけるのがスクリーンモード。「今回は、スクリーンメーカー各社から約100種類のスクリーン生地を集め、それぞれのパラメーターを計測して補正モードを作成した。手持ちのスクリーンに合わせることで、より自然で色彩バランスの良い映像を楽しめる」(日本ビクタープロジェクター統括部商品企画グループの横山章浩氏)。DLA-X7では99種類、DLA-X3には3種類から選択できる。
そのほかの主な仕様は下表の通り。なお、DLA-X7については、米THXの「THXディスプレイ規格」(THX Certified Display Program)の認証を取得する予定だ。
型番 | DLA-X7 | DLA-X3 |
---|---|---|
表示デバイス | 0.7型D-ILAデバイス | |
解像度 | 1920×1080ピクセル | |
3Dレディー | ○ | |
レンズ | 2倍電動ズーム、フォーカス | |
レンズシフト | 上下80%、左右34%(電動) | |
光源 | 超高圧水銀ランプ(220ワット) | |
明るさ | 1300ルーメン | |
コントラスト | 7万:1 | 5万:1 |
映像入力 | HDMI×2(3D、Deep Color、CEC)、コンポーネント、アナログRGB | HDMI×2(3D、Deep Color、CEC)、コンポーネント |
消費電力 | 350ワット(待機時0.9ワット) | |
本体サイズ | 455(幅)×472(奥行き)×179(高さ)ミリ | |
重量 | 15.1キログラム | 14.7キログラム |
騒音レベル | 20dB(ランプ標準モード時) | |
発売日 | 12月上旬 | |
価格 | 84万円 | オープン(49万円前後) |
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