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JVC、4K対応のD-ILAプロジェクター「DLA-X90R」など3機種を発表3Dも進化(1/2 ページ)

» 2011年10月12日 20時24分 公開
[ITmedia]

 JVCケンウッドは10月12日、JVCブランドの新製品として、D-ILAプロジェクター3機種を発表した。4K解像度表示が可能な「DLA-X70R」、DLA-X70Rをベースにチューニングを施したプレミアムモデルの「DLA-X90R」、および価格を抑えた3D対応フルHDプロジェクター「DLA-X30」の3機種をラインアップ。いずれも11月下旬に発売する予定だ。

左奥が「DLA-X30」、手前は「DLA-X70R」(左)。「DLA-X90R」。発売時にはレンズの横に「PREMIUM」バッチがつく(右)。筐体デザインは基本的に従来機「DLA-X9/X7」を踏襲したものだが、モデルによって表面処理(DLA-X70以上は光沢処理)やレンズカバーの有無といった違いがある

型番 3D対応 4K対応 輝度 コントラスト比 本体カラー 価格 発売時期
DLA-X90R 1200ルーメン 12万:1 ブラックのみ 105万円 11月下旬
DLA-X70R 1200ルーメン 8万:1 ブラックのみ 89万2500円 11月下旬
DLA-X30 なし 1300ルーメン 5万:1 ブラック、ホワイト オープン(実売39万8000円前後) 11月下旬

Blu-ray Discを4Kで楽しむという提案

 昨年の「DLA-X7/X3」同様、0.7型のD-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)デバイスを3枚使用したプロジェクター。デバイス自体はフルHDながら、“画素ずらし”を可能にする「e-shiftテクノロジー」により、3840×2160ピクセルの4K解像度を実現した。

e-shiftテクノロジーの概要

 e-shiftテクノロジーは、NHKエンジニアリングサービスと共同開発したSHV(8K×4K)プロジェクターに採用されているもので、D-ILAデバイスとプロジェクションレンズの間に液晶とレンズで構成される“e-shiftデバイス”を設け、電気信号を流して光りの屈折率を変化させる。1画素に対して斜め上に0.5画素分シフトすることで、縦/横の解像度が実質2倍になるという。

 組み合わせるアップスケール処理もJVCが開発した独自アルゴリズムだ。フレーム内においてエリア別に画素情報を分析し、被写体の輪郭や画素劣化など高周波成分を復元することで高解像度化。さらに細かい線部のコントラスト補正などの映像処理をあわせて行い、精細で立体感のある映像になるという。

DLA-X90Rの背面端子。HDMI×2、コンポーネント、D-Sub 15ピンのアナログRGB端子を持つ(左)。DLA-X30のホワイトモデルと背面端子。D-Sub 15ピンが省略されている(右)

 なお、DLA-X90R/X70Rは2系統のHDMI入力を備えているが、4K入力には対応していない。これはネイティブ4Kのコンテンツが事実上存在しないため。「4K化の目的は、Blu-ray Discを大きなスクリーンで視聴すること。グリッドが目立たず、緻密(ちみつ)でなめらかな映像を楽しめる」(同社)。

4Kにアップスケースした映像(左)とフルHD(右)の比較。大きな違いは、スクリーンに近づいても画素が見えないこと。線部の細かいジャギーも改善されている

コントラストが立体感につながる

 新製品はいずれも“3Dレディーモデル”だ。別売の3Dメガネおよび「3Dシンクロエミッター」(9450円)をそろえれば、3D表示が楽しめる。今回は新型メガネ「PK-AG2」(1万4700円)もオプションにラインアップ。約40グラムと軽量化したほか、USB充電にも対応している。1回の充電で約40時間の連続使用が可能だ。

各社の3D方式を比較(左)。3D関連の新機能(右)

 3D表示は、左右の映像を交互に表示するフレームシーケンシャル方式。解像度はフルHDとなるが、デジタル駆動のD-ILAデバイスは画面全体を一度に書き替えることができるため、120Hz駆動でもクロストークを抑えた3D表示が可能になる。「スペックだけを見ると、480Hz駆動の3LCD方式や240Hz駆動のSXRDのほうが良いように思うかもしれないが、他社は順次駆動方式。画像を順次書き替えている間に左右の絵が混ざる時間が発生し、その間はメガネの液晶シャッターを閉じる必要がある。一方でJVCの面一括駆動方式は、液晶シャッターを閉じる時間が短く、明るい3D映像が可能だ」(同社)。

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