バッファローから、地上デジタル放送の最大8チャンネルを同時録画(一時キャッシュ)する全録レコーダー“ゼン録”「DVR-Z8」が登場した。録画予約なしでも見たい番組を見逃さない、現在購入できる数少ないタイムシフトマシンの1つだ。今回は製品版を試用した。
ゼン録には、8つの地デジチューナーと2TバイトのHDDが搭載されている。同種の単体レコーダーとしては東芝の“レグザサーバー”があるが、こちらは地デジを最大6チャンネルの一時録画および予約による2チャンネル同時録画(地上/BS/CS110)のという仕様。一時録画のチャンネル数ならゼン録が上回る。
本機はテレビのタイムシフト視聴を主な目的とした製品で、HDDの容量が続く限り、指定したチャンネルを録画し続け、空き容量がなくなると古い番組から自動削除していく。このため録画予約自体が不要であり、スポーツ中継の放送延長や特番の影響を受けて録画に失敗するということがない。唯一注意しなければならないのは、一定期間を過ぎた番組は自動削除される点だけだ。
ゼン録の場合、2TバイトのHDD容量のうち、300Gバイトを保存用に割り当てている。一時録画した番組から保存しておきたい番組を移動しておけば、自動消去されずに済む。そして残りの約1.7Tバイトはすべて一時録画に使用できるため、8チャンネルを丸々録画した場合で最長約8日分の一時録画が可能。対象とするチャンネル数を減らせば、さらに長期間のキャッシュを保持できる。チャンネル数と録画品質、保持する期間はトレードオフとなるが、例えば1つのチャンネルだけを延々と録画させるなら、最長2カ月間ぶん(約64日間)の番組を保持できるのだ。
一方、ゼン録は光学ドライブを搭載せず、ネットワークダビングにも現時点では対応していない。前述のように自動削除されない保存エリアに移しておくことはできるものの、その場合でも本機での再生しか行えない。この点は“割り切り”が必要ということになる。
外観はいたってシンプル。前面には動作状態と個別保存用のHDD残量を警告するインジケータがあるのみで、幅こそ430ミリとAV機器の標準サイズながら、奥行きは220ミリと短かく、奥行きの短い薄型テレビ用AVラックにも楽に収まる。約2.5キロと軽量なので、既存のレコーダーの上などに重ねて設置するのも無理がない(放熱には注意)。操作は、すべて付属のリモコンで行うことになる。
背面のみにレイアウトされた入出力端子もシンプルだ。HDMI出力にコンポジット&アナログ音声出力、光デジタル音声出力に加え、アンテナ入力/スルー出力端子、LAN端子のみを備えている。最近の薄型テレビと組み合わせるなら、アンテナケーブルとHDMIケーブルを接続するだけでいい。なおLAN端子はソフトウェアアップデートに利用するためのもので、DLNAなどの機能は持っていない。そのソフトウェアアップデートもUSBメモリーを利用することもできるため、インターネット接続は必須ではない。
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