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地デジの妨害波を解消する信号処理技術、マスプロ電工が開発

» 2012年04月10日 16時32分 公開
[ITmedia]
新技術を搭載した“マルチパス波・回り込み波キャンセラー内蔵地上デジタル放送用送信機”

 マスプロ電工は4月10日、山間部やビル影など放送波が届かないエリアへ地上デジタル放送を再送信する際に問題となるマルチパス波(反射波)や回り込み波を軽減する新しいデジタル処理技術を発表した。ギャップフィラー局向けに導入を進める。

 妨害波はデジタル処理で軽減できるが、現在の機器は1つの放送チャンネルに対して処理回路を1つしか搭載していない。しかし、マルチパス波や回り込み波は放送されているすべてのチャンネルで発生するため、1台では対応が難しいという。

 マスプロ電工では、マルチパス波の到来時間が変動しないことに着目。マルチパス波の処理する範囲を、専用のアプリケーションで人が任意設定することで処理効率を高め、さらにチャンネルごとの処理を時分割で瞬時に行うことにより、1つの処理回路で複数チャンネルの妨害波を軽減できることを確認した。これにより、きれいで安定した地デジ信号を生成できるという。

スペクトルアナライザーによる測定結果。左が妨害波のある状態、右は新技術で改善された状態

 マスプロ電工では、“マルチパス波・回り込み波キャンセラー内蔵地上デジタル放送用送信機”として導入を進めており、既に和歌山県のギャップフィラー局で運用を開始している。なお、この技術は「NOTTV」(モバキャス)や海外の地上デジタル放送でも応用できるという。

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