パナソニックが2月に発売した「NP-TCR1-CK」は、2つの意味で画期的な食器洗い乾燥機だ。コンパクト設計がウリの“プチ食洗”であり、しかも白物家電にあるまじきブラックカラーのクールな外観。一人暮らしやディンクス層に的を絞った見事な商品戦略に感銘を受け、思わず購入してしまった次第だ。
注目の色は「コモンブラック」という。これは、パナソニックが“アラサー向け家電”として販売している「NIGHT COLORシリーズ」の共通カラー。同色のドラム式洗濯機や冷蔵庫、空気清浄機などもラインアップしている。うちの場合、冷蔵庫やコーヒーメーカーもブラックだったため、アラフォーだけど導入に踏み切った。
NP-TCR1-CKを含む“プチ食洗”シリーズは、フットプリントが幅が47センチ、奥行きが30センチという“水切りかごサイズ”が特長だ。とはいえ、中に食器を18点(公称値)も入れ、水流でバシャバシャと洗う機械である。高さ(46センチ)はそれなりにあるし、吸水と排水のパイプを設ける必要もある。実際に導入する前は、キッチンのどこに設置するかで、かなり悩んだ。
しかし、やはりITは消費者の味方である。
パナソニックは、iOS/Android向けにAR(拡張現実)を用いた設置シミュレーションアプリ「Home Appliance AR for Panasonic」を提供している。これを愛用のiPhone 4Sにインストールし、パナソニックサイトから「ARマーカー」をダウンロード、A4サイズでプリントアウトして食洗機の設置候補地に置く。iPhoneのカメラ越しに見ると、画面にはほぼ実寸大の食洗機が現れ、設置後のイメージが分かるという仕組みだ。
このアプリ、2月ころはホワイトのプチ食洗しか選択できなかったのだが、現在はアップデートにより黒も選べるようになっている。ARの食洗機は扉を開けることも可能で、食器を出し入れする際に、どこかに扉が干渉しないか? といった点もチェック可能。残念なのは、分岐水洗や給・排水管までは再現してくれない点だが、そこは仕方がない。アプリでは、AR食洗機を表示した状態で画面をキャプチャーできるため、それを販売店の担当者に見せれば、付属のホースで足りるのか?といった疑問には答えてもらえそうだ。
ちなみに分岐水栓というのは、食洗機に水を供給するために蛇口に取り付けるもので、蛇口のタイプごとに専用の水栓が必要になる。価格は数千円から1万数千円と幅があり、高い場合はちょっとした出費になるので、購入時にはそのコストも考えておきたい。なお、家電店に行くとき、蛇口のメーカーと型番をひかえておくと話が早い。
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