タブレット端末とBlu-ray Discレコーダーを無線LAN接続すると、家の中を持ち運んで使える“どこでもテレビ”ができあがる。今回は、ソニー、パナソニック、東芝の最新BDレコーダーを紹介するとともに、DLNA/DTCP-IPによるタブレット連携を検証していこう。前回のパナソニック製品に続き、今回は、Android4.0.3へのアップグレードと同時にBDレコーダー連携機能が追加されたソニーの9.4インチタブレット「Sony Tablet S」とBDレコーダー「BDZ-AT950W」を取り上げよう。
今回のメインテーマであるタブレット連携は、「ソニールームリンク」と呼ばれるDLNA機能で実現されている。今回取り上げるBDZ-AT950W以外にも、同時期に発売された「BDZ-AX770T」「BDZ-AT950W」「BDZ-AT970T」「BDZ-AT770T」「BDZ-SKP75」には、そのまま当てはまると思っていい。
まずは、BDレコーダーの機能をチェックしていこう。BDZ-AT950Wは、2011年秋に発売された現行ラインアップのミッドレンジにあたるモデルだ。型番の“W”から分かるようにダブルチューナーを搭載しており、1TバイトHDDに2番組の同時録画が可能。さらにUSB外付けHDDに対応したことで、手軽に録画時間を増やせるようになっている。
高さを49.5ミリに抑えたスリムボディーは、フロントパネルの下半分をカバーがおおううツートンカラー。カバーの下にはUSBポートとB-CASカードスロットがある。メモリーカードスロットは搭載せず、デジカメ写真の読み書きなどはカードリーダーやデジカメをUSBケーブルで接続するスタイルとなっている。
これからBDレコーダーを購入する人にちょっと魅力的かもしれないのが、D端子の映像出力を備えていることだ。各社の2012年モデルでは、軒並みD端子が排除されている。これは、AACSの規定により、2011年1月以降に発売された製品では著作権保護されたコンテンツ(BDに記録された映像やHDDへ書き戻した映像)をHDMI端子以外の出力端子でハイビジョン出力できなくなったためだろう。ただし、HDDへ録画しただけの番組ならAACSで保護されている訳ではなく、現在でもD端子接続によるハイビジョン再生が行える。また、初期の薄型テレビはHDMI入力が1系統という製品も珍しくない。HDMI入力が足りない場合には、最新機能を備えつつ、D端子接続も可能なソニー製品は貴重といえそうだ。
さて、2012年3月のファームウェアアップデートで変わった点は、大きく分けて3つある。まずはSony Tabletに対して録画済み番組や放送中番組の配信が可能になったことだ。またBRAVIAやPlaystation 3、VAIOといった「ソニー ルームリンク」対応機器に対して放送中番組の配信が行えるようになった。
USB外付けHDDに録画した番組をBD/DVDメディアに直接ダビングできるようになったことも新しい。逆にBDメディアから外付けHDDに対するムーブバックも可能。USB外付けHDDに関しては、複数番組の同時録画や外部チューナーからのネットワーク録画ができない、ルームリンクでの配信が行えないといった制限は残っているものの、一度内蔵HDDにダビングしてからでないと光学メディアに保存できないという制限がなくなったことは大きい。このほか、スマートフォンから「CHAN-TORU」を使って録画予約する際に録画先としてUSB HDDを指定できたり、録画済み番組の整理(消去など)や残量確認も行える。USB HDDの使い勝手が向上したことで、より積極的に使う気になりそうだ。
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